子どものうつってなあに?を知る入門書

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子どものうつがわかる本―わが子の心、見えていますか? (セレクトBOOKS 育ちあう子育ての本)

小学生の12~13人に1人、中学生にいたっては4人に1人が高い「うつ」状態にある時代。もはや、「うつ」を知っておくことは、現代を生きる親にとって必須のたしなみといえるかもしれません。本書は臨床心理士で東京大学教育学研究科教授の下山晴彦先生が子どものうつで押さえるべきポイントを指南しています。

・ 子どもを取り巻く家族の叱責や本人のがんばりすぎが悪循環を生んでうつを悪化させる 。
・ 大人と子どもで違う、うつのサイン。小学校低学年は身体の不調を訴える。小学校高学年からは問題行動をしはじめる。
・ うつの要因は複数因子のかけ算だけれど、子どもは発達障害×家庭が多い 。
・ 休養、薬物療法、心理療法が基本だが、幼い子どもへの投薬は慎重にすべき。
・ 回復までの波を意識して休養する 。

さらに下山先生は認知行動療法(うつ病に効果的であることがわかっているカウンセリングの手法の一つ)が専門だけあって、類書に比べて認知行動療法にかなりのページが割かれています。
・ 認知行動療法の第一段階は信頼関係を築く。
・ 1時間の面談を13回実施して回復をめざす。
・ 第2段階で問題を把握し対策を立てる
・ 第3段階で柔軟な認知と行動を促す
・ 第4段階で子どもを自身のセラピストにする

最後に実際に認知行動療法を著者の研究室で施した事例が4つ紹介されています。家庭での叱責がある例とそうでない場合では、回復へ至る道のりがいかに異なるかが分かりやすく説明されています。

感想

私たちは何かに困ったとき、目先のどうすべきか、ばかりに目が行きがちです。まずはうつという相手を知り、回復までの全体像を知る、つまりこの本では木ばかりでなく森全体を見通せる内容になっています。

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