反抗期!?いいえ、それはうつ病の症状かもしれません

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子どもをうつから救う! 家族のための症例別対応ガイド (NextPublishing)

うつの子どもが出す、腹痛、頭痛、息苦しさといったサイン。子どもはこうしたサインを出して、親や医療機関などのサポーターとつながるわけです。この点は自分で不調に対処したり、医療機関を受診できる大人とは異なります。すなわち、症状であるのと同時に「ヘルプサイン」でもあるわけです。この本には、そのヘルプサインを反抗期とどう区別して見わけ、どのように医療機関につなげるか、が具体的に書かれています。まさしく「子どもがうつ病になったときの家族のための対応ガイド」です!

たとえば、腹痛などで小児科や内科に行ったときの対応法が紹介されています。
『小児科や内科の先生も忙しいので、3分間診療に陥りがちです。「おなかが痛い」「では薬を出しておきますね」といったやりとりで終わってしまいます。ここで隠れうつに気づくには、親が医者に質問することです。「精神的なことで、こういう症状って出るんですか?」と聞いてみてください。これは一種魔法の言葉です』『親として大事なのは、つねに「ひょっとして」を疑ってみることです。・・・つねにひょっとしてという意識を持っていれば、何かあったときに「ひょっとして心の病気ですか」と聞くことができます』

症例別、とあるように頭痛や腹痛のほか、ひきこもり、イライラ、頭髪を抜く、リストカット、成績が落ちる、死にたいと言う、といったヘルプサインとその対応法がそれぞれ症例とともに記されています。オーダーメイドが一番大事としながらも、特に親はうつ病の子どもとのほどよい距離の取り方も学ぶべきだとしています。
『「消えた方がいいんだよね」と言われたら、どのように答えたらいいでしょうか。「・・・そういうこと言っちゃダメ(断定)」「そんなことはない」(否定)・・・ひとつの問題提起からどんどん負のスパイラルに陥っていくのがうつの特徴です。・・否定も肯定もしないというのは、場合によっては否定を弱くしたり強くしたり、匙加減が難しいのですが、大人の対応としては、曖昧なものを曖昧なままにしておける心の余裕が大事です。強く言わないためには、いい意味での曖昧さが必要です』

また、単なるうつ病のハウツーに終わらず、「なぜ、3分間診療になってしまうのか」「現場の現状は」「うつに関するメディアの責任」「絶対死んじゃダメ、の功罪」など、医療の背景・限界や社会の責任についてもちゃんと触れられています。

感想

著者は、南青山メンタルクリニックの院長をつとめる武田浩一氏。第一線で働く児童・思春期専門の精神科医であり、本書も非常に実用的な内容になっています。

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