近松門左衛門「曽根崎心中」

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曾根崎心中

実際の心中事件を扱って、社会現象となった世話浄瑠璃

伯父の九右衛門が営む醤油問屋、平野屋の手代である徳兵衛は、伯母の姪との縁談を勝手に決められてしまう。しかし、徳兵衛には天満屋の遊女・お初という恋人がいた。縁談を断ると「既にお前の継母に銀二貫(約400万円)を渡して話をつけてある。断る以上はこの金を返せ」と言われ、やっとの思いで銀二貫を取り返す。そこで出会ったのは友人の九平次。「金が要る用事があって困っている。数日で返すから、どうか金を貸してくれ」と頼み込まれた徳兵衛は、どうせ伯父と約束した期日まではいらぬ金、少しの間なら貸してやろう―と銀二貫をそのまま渡してしまう。

しかし、約束の日が過ぎても九平次は金を持ってこない。徳兵衛が約束どおり金を返すように迫ると、九平次は「お前に金なんか借りていない」と言い出す。九平次の手元にあるのは徳兵衛が代筆した借用書と九平次の印鑑の紛失届。「先月なくしたはずの印鑑が押してある、しかもてめえの借用書、拾った判で俺を騙す気だな!」と騒ぎ出す九平次。騙されたことに初めて気がついても後の祭り。金を取られ、人前で泥棒呼ばわりされて殴られ、恥をかかされる。

その夜。昼の騒ぎで思い悩む天満屋のお初の元に、九右衛門が甥の様子を心配してやってきた。お初はまずは奥の間で徳兵衛を待つように案内する。そこに編み笠姿で現れた徳兵衛。しかし、天満屋の主人に見つかると困る。お初はひとまず縁の下に彼を入れ、縁側に座った自分の打掛で隠した。

そこに九平次が現れ、徳兵衛の悪口を言い散らす。お初は「徳兵衛さんは騙されただけ、恥をかかされて生きている人じゃあるまい。私も離れてはいけぬ」と縁の下にいる徳兵衛に訴えるように語り、足で死ぬ覚悟を問う。徳兵衛はお初の足に首を当て、自害の意思を伝える。二人の気持ちは一つとなった。

やがて皆が寝静まったころ、死に装束のお初が徳兵衛と天満屋を抜け出し、手に手をとって曽根崎の森に向かった。

その後、まだ天満屋にいた九平次に、印鑑が自宅にあることがバレたと使いが報告に来た。「せっかく嘘の紛失届で徳兵衛の銀二貫を騙し取ったのに」と騒ぎたてたところに、奥の間にいた九右衛門が出てきて「甥を騙したのはお前か」と九平次を痛めつける。そこに、お初の部屋から覚悟の書き置きが出てくる。慌てて人を捜しにやらせるが、もう間に合わなかった。

疑いが晴れたことも知らない二人は、来世で夫婦になることを固く誓う。そして徳兵衛がお初を刺し、すぐに自分も首をかき切って、恋人たちは心中した。

曾根崎心中

曾根崎心中

  • 角田光代,近松門左衛門

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