横光利一「日輪」

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日輪 [kindle版]

復習に燃えた一人の美少女が、邪馬台国に君臨するまでを描いた時代小説

不弥の国の王女・卑弥呼は卑狗の大兄と相思相愛であり、婚姻の日も迫っていた。ある日、2人の逢引の場に敵対する奴国の王子・長羅が迷い込む。卑弥呼の美しさに心奪われた長羅は、奴国に戻ってからも恋煩いが続く。ついに王子は父の王に「不弥の国を攻める。軍隊を出してほしい」と請う。しかし、軍隊の長である兵部の宿禰は「時期を待て」と諫める。実は兵部の宿禰の娘・香取は昔から長羅に恋しており、娘の健気な想いを叶えるためには卑弥呼を奪うための戦いを起こさせるわけにはいかなかったのだ。しかし、卑弥呼の婚礼が近いことを知らされて長羅は荒れ狂う。なおも止めようとした兵部の宿禰は、長羅の斬り殺される。宿禰の息子であり、香取の兄でもある訶和朗は父の敵への復讐を誓った。

不弥の国では、婚姻の宴が開かれていた。酔った人々を襲う奴国の軍隊。逃げ惑う人々を掻き分け、長羅は夫婦の寝室へと一直線に向かう。不意を襲われた卑狗の大兄は長羅に刺され、嘆く卑弥呼は奴国へとさらわれたのであった。

奴国へ卑弥呼を連れて帰った長羅だったが、好色な父の王もひと目で卑弥呼を気に入り、妻にしようとする。言い争いの果てに長羅が父を殺し、周りにいた重臣は王を斬った長羅に刃を向け、宮中は混乱に陥る。その隙に、王子を狙っていた訶和朗は、「長羅への復讐を手伝う、共に奴国を逃げよう」と卑弥呼を口説いて連れ出す。卑弥呼も自らの運命に抗えず、訶和朗の妻となるのであった。

追ってから逃れてさまよう2人は、鹿狩りに巻き込まれて邪馬台の王である反耶の前へと連れ出される。とっさに卑弥呼は邪馬台の軍隊を使って奴国に攻め入るという案を思いつく。「邪馬台を通って行きたい」と美しい卑弥呼に言われて反耶は喜び、反対する訶和朗を縛る。そこには反耶の弟で荒くれ者の反絵もいた。兄と同じく卑弥呼を手に入れたい反絵は、縛られた訶和朗を殺してしまう。

邪馬台の国に入った卑弥呼はしたたかだった。反耶と反絵のどちらにも気を持たせ、「自分を愛するのであれば奴国を攻めてほしい」と2人を煽る。ついに兄弟は争いはじめ、力で勝る反絵が兄を殺して決着がついた。しかし「長羅を討ってから」と卑弥呼は反絵に体を許さないため、反絵は出兵の準備をはじめる。その頃、卑弥呼を奪われた奴国の長羅は、卑弥呼が邪馬台国で王妃になっていることを聞き、怒りに燃える。長羅はすぐさま邪馬台へ兵を出すのであった。

邪馬台の国では、卑弥呼への臣下からの尊敬の念が高まっていた。なぜなら、荒くれ者であり部下にむごい仕打ちをする反絵を抑えられるのは、彼女だけだったからだ。卑弥呼の野心はまさに形になろうとしている。奴国と邪馬台の軍がぶつかる中、夫そして父母の敵である長羅と反絵は刺し違えて死んだ。卑弥呼は邪馬台軍の勝利の声とともに、不弥・奴国・邪馬台の三国を従えた王となった。

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  • 横光 利一

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