宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

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双葉社ジュニア文庫 銀河鉄道の夜 [kindle版]

心通わせた2人の少年が宇宙を旅する、切ない結末の物語

漁に出たまま消息がわからなくなっている父親と、病気で家を出ることすらできない母を持つジョバンニ。苦しい家計を支えるために姉と2人で学校に通いながら働いている。早朝の新聞配達と午後の活字拾いの仕事がきつく、ジョバンニは学校でいつもぼんやりとしており、クラスメートにもからかわれる毎日だ。ただ、仲良しのカムパネルラだけはジョバンニにいつも優しい。彼の父親は博士で、ジョバンニはひそかにカムパネルラに憧れていた。

年に一度のケンタウル祭の夜、ジョバンニは母親に飲ませるための牛乳をもらいにいくが、途中で学校の友達にいじめられ、また運の悪いことに牛乳を手に入れることができなかった。疎外感と孤独感に押しつぶされそうになったジョバンニは、誰もいない暗い丘の上に寝転び星空を眺めながら寝てしまう。

やがて「銀河ステーション、銀河ステーション」という不思議な声で眼を覚ましたジョバンニは、銀河鉄道の座席に座っていた。少し落ち着いてあたりを見渡すと、がらんとした列車の前の席にはカムパネルラがいる。そして2人を乗せた銀河鉄道は、りんどうの花の光る三角標の流れる美しい天の川の岸を走っていく。ジョバンニとカムパネルラは星を巡る旅の中で、見知らぬ土地に降り、車外の美しい風景に見とれ、また車中に乗り合わせたさまざまな人たちと出会うのだった。

「鷲の停車場」で、幼い姉弟とその家庭教師の青年が乗ってくる。青年たちは大きな船に乗っていて氷山にぶつかり遭難したという。沈没する船の様子を話す青年に、乗り合わせた灯台看守が「ほんとうのさいわい」とは何かを話す。ジョバンニも「ほんとうのさいわい」について考えはじめる。

「サウザンクロス」に列車が着くと、青年たちは天上に行くために列車を降りてしまった。残されたジョバンニとカムパネルラが車内で「ほんとうのさいわい」とは何か、そして「どこまでもどこまでも一緒に行こう」などと話し合っている最中のこと。「あっあすこにいるのはぼくのお母さんだよ」と声をあげて、カムパネルラはジョバンニの前から突然姿を消してしまった。・・・悲しみのあまり泣き叫び、そのまま眠ってしまったジョバンニ。眼を覚ますと、そこは元の丘だった。

予定どおり牛乳を手に入れ、町の大通りに戻ると、「こどもが水へ落ちたんですよ」と町の人たちが騒いでいる。川に落ちたザネリという友達を助けて水に入ったのはカムパネルラだった。銀河鉄道の旅の途中でカムパネルラが消えてしまったのは、死の世界に向かってしまったからだ・・・そう悟ったジョバンニはカムパネルラの父親のところに向かったが、彼と銀河鉄道に乗ったこともいえない。逆に自分の父親が帰ってくると知らされて驚き、さまざまな思いで胸がいっぱいのまま、ジョバンニは父の帰宅を告げるために母親のもとへ駆け出すのだった。

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