【まさに永久保存版】介護保険はこんなにヤバい⁉︎ 基本も裏側も全部わかる

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週刊ダイヤモンド 2017年 8/12・8/19合併特大号 [雑誌] (制度改悪に備える家族の介護)

◼︎介護のイロハ

介護保険制度の基本的なことがすべて網羅されているので、「いざという時」に頼れる特集になっている。
・介護保険の利用までの流れ
・要介護認定はどう決まる?
・介護にかかるお金
・受けられるサービス(在宅と施設、福祉用具、住宅改修etc)
等々。

◼︎財政逼迫で徐々に負担が拡大

8月から来年度にかけて、介護費の国民負担増が目白押し。
以下に一部を抜粋する。

2017年8月(今月)

・収入に応じた保険料負担を求める「総報酬割」を導入。大企業の社員や公務員は、介護保険料が高くなる。

2018年4月

・高齢者の要介護度を改善させた自治体を財政的に支援する「財政インセンティブ」を導入(要介護度の認定基準の厳格化や行政主導のケアプラン作成などが懸念されている)
・「介護医療院」を創設、これまでの「介護療養型医療施設」は6年の猶予付きで廃止

2018年8月

・所得水準が現役世代並みの利用者の自己負担割合を3割に(現行の上限は2割)

2021年度の時期改正への継続審議

・介護保険料の負担開始年齢の引き下げ→現行の40歳から20歳に?(ただし、企業の負担も増えるので反発が予想される)
・ケアプラン作成など居宅介護支援の自己負担化(1割負担)
・福祉用具レンタルを要介護度3以上に限定

◼︎「森友問題」で空回りした法改正論議(三原岳・東京財団研究員兼政策プロデューサー)

政争の具となった法案審議

介護保険法改正案を審議した衆院厚労委では、野党は通告なしに「森友学園問題」を持ち出して抵抗し、これに与党が「法案に無関係だ」と反発。与野党の怒号とやじが飛びかう波乱の展開となった。結局は与党の賛成多数で5月に可決・成立した。
しかし、介護保険制度は目下、発足以来の曲がり角を迎えており、制度の原則を覆しかねない内容を含んでいたため、政争の具にする余裕はなかったはずだ。
審議において、野党は3割負担の導入を批判したが、本当に追求すべきは、今回の改正の目玉である「自立支援の強化」だった。

「自己選択」が危機に

介護保険制度が成立する以前の介護は、市町村が高齢者への支援の内容を決める「措置」制度だった。その反省から、介護保険では、高齢者が自らサービスを選ぶことに力点を置いた。
しかし今回の改正で盛り込まれた自立支援の内容は、自己選択という原則をないがしろにしかねない。
まず、政府は、リハビリなどを通じて要介護度が改善したり、介護保険の利用を「卒業」したりできるようにするのを「自立支援」としている。しかし本来は、ほしいサービスを自分で選ぶのが「自立支援」であり、「卒業」などは想定されていない。つまり自立支援の内容が、「自己選択」から「介護予防」へとすり替えられたのだ。

「措置」の時代に逆戻り?

政府の進める自立支援では、地域ケア会議を中心に、ケアプランの内容に市町村が踏み込むことを想定している。ましてや、要介護度を改善させた市町村に財政的な優遇措置(財政インセンティブ)を与えるとしており、それを目当ての市町村が、要介護度の改善を目指して必要以上に介入する可能性が高まる。
給付抑制を図りたい市町村の意向が、高齢者の自己選択権を侵害するおそれがあり、結果として「措置」の復活につながる危険性をはらんでいる。

結局は先延ばし

介護保険の財政逼迫は危機的状況だが、これを打開するには、①税負担を増やす②保険料を引き上げるーのいずれかしかない。しかしいずれも反発を受けるため、聞き心地の良い「自立支援」で給付を抑えようとしたわけだ。

感想

介護保険制度の脆弱ぶりが非常によくわかる内容となっている。少なくとも、今後、公平で充実したサービスなど期待できないということだ。せめて、自分の家族だけは必要なサービスを確保できるように、情報を集めておくしかないのだ。

特集part4の「サービス付き高齢者向け住宅ランキング」は、全都道府県の施設をまとめている。また全国758市区の介護保険料の一覧も掲載されている。今回も、ダイヤモンドの取材力に舌を巻く思いでページをめくった。充実の一冊だ。
(2017年8月14日読了)

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