抗菌薬の不適切な使用を防ぐための分析手法

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すべての医療機関で役立つ 抗菌薬耐性対策サーベイランス必読ガイド

DDD(defined daily dose)

 医薬品の主な適応症に対する成人の1日仮想平均維持量。
 注意点として、1:主な適応症に対して設定されており、抗菌薬では中等症を想定している、2:成人(体重70kg)の仮想平均投与量である、3:治療上の維持量である、4:投与経路に応じて異なる、等がある。
 DDDは「http://www.whocc.no/atc_ddd_index/」より調べることが出来る。新規に設定された場合、3年以内に見直され、その後最低5年は据え置き。
 DDDは「ものさし」であるので、諸外国や施設間で比較するためにWHOが定義したものを使用することが推奨される。

AUD(antimicrobial use density)

 抗菌薬使用密度(DDDsとも表現する)は、調査機関における抗菌薬使用量を力価(g)で集計し、それをDDD(g)で除した値をさらに調査機関の患者のべ日数で除した値に100もしくは1000を乗じて算出する。

 AUD(/100 bed-days) = (( 抗菌薬使用量(g) / DDD (g) ) / 入院患者のべ在院日数(bed-days) ) * 100

 AUDは①調査対象範囲における医薬品の使用頻度、②平均在院日数、入院期間や病棟稼働率、③WHOが設定するDDDと実際の処方量と乖離の大きい医薬品、④小児、透析など特殊病態の患者などの影響を受け、過小・過大評価されることがあるので注意が必要。
 本手法は抗菌薬だけではなく他の医薬品についても応用可能である。

DOT法

 DOT法は抗菌薬の1日用量にかかわらず、投与された日数を集計する方法。1日当たりの投与量、投与日数、使用人数の3つの要素のうち、投与日数と使用人数のみを反映する指標。
 米国疾病予防管理センターが推奨する方法であり、海外では抗菌薬使用量の新たな指標として評価が高まっている。ただし、わが国では1日用量の適正化も重要であるため、DOT包のみで使用量を評価することは危険。

DOT(DOTs/100 bed-days) = (( 抗菌薬使用日数(日)/入院患者のべ在院日数 (bed-days)) * 100

 AUD法は小児の使用量集計には不向きだが、DOT法は小児にも利用できる。DOT法の最大の難点は、集計するための各症例の投与データが必要となることであり、AUD法に比較して集計は煩雑になる。中止情報が反映されていない場合もある薬剤部のデータよりも、実際の投与データである医事課データを利用して集計すべきである。

AUD/DOT

 1日用量の指標として利用できる。各薬剤のDDDが成人の標準的な維持投与量とほぼ等しく設定されている抗菌薬では、AUD/DOTの理想値は1と考えることが出来るので、1を目指して適正化に取り組むと良い。

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