インスリン製剤の取扱い

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モデル・コアカリキュラムに沿った わかりやすい薬局実務実習テキスト 第2版

目標

自己注射が承認されている代表的な医薬品を調剤し、その取扱い方を説明できる。

インスリン製剤の種類

インスリン製剤には、追加分泌補充に使われる超速効型・速効型と、基礎分泌補充に使われる中間型・持効型、これらの混合製剤がある。基礎分泌が正常に近く、追加分泌のみが低下している症例には、超速効型を1日3回、朝食前空腹時血糖が高くなる症例では、夕食後を混合型にして、インスリンの分泌を補う。
混合製剤の「30R注」や「3/7注」は30%の速効型と70%の中間型が混合されていることを意味する。 基礎分泌を補うためには中間型が使われていたが、注射後、血中濃度にピークがみられるという問題があった。一方、インスリンアナログである持効型の製剤は、1日1回の注射でピークがなく、安定した効果が得られる。インスリンの種類は、製剤の帯(ラベル)や注入ボタンの色で見分けられるので、患者に色を覚えておくよう伝える。

インスリン製剤の使用方法

超速効型、速効型、持効型インスリンは無色透明だが、中間型、混合型インスリンは持続化剤としてプロタミン硫酸塩が添加されており白濁している。白濁しているインスリンは、使用前に10回くらい振ってよく混和する。
インスリンのカートリッジ中には、懸濁を容易にするためにガラスビーズが入っているので、混合するときはガラスビーズが隅々まで動くようにゆっくり行うことがポイント。
インスリン注射に適している部位は、お腹、上腕、おしり、太ももで、インスリンの効き方が早いのもこの順。
注射部位を毎回変えたり、突然違う部位に変更すると、インスリンの効き方が変わり血糖値が乱れる恐れがあるので、注射は毎回同じ部位にするが場所は毎回少しずらす。同じ場所に繰り返し注射すると皮膚が固くなり吸収が悪くなるので、2~3センチ程度離したところに注射する。

インスリン製剤の保管方法

インスリン製剤の保管方法は、開封前と開封後で異なる。薬局で主に取り扱うのはカートリッジタイプと使い捨てタイプのものだが、両方とも未使用の場合、冷蔵庫(2~8℃)で保管する。注意する点は、遮光し凍結させないこと。凍結させてしまうと、インスリンの結晶が析出したり、結晶の状態が変化する恐れがある。さらに、カートリッジや注入器が破損してしまい、注入できなくなることもある。また、薬局内での凍結事故も報告されているので、調剤室内の冷蔵庫であっても温度設定などに注意する必要がある。
一方、開封後の保管は室温(1~30℃)で行う。冷蔵庫で保管しない理由は、結露による注入器の故障や冷たいインスリンを注入することによる疼痛を避けるため。また、高温・直射日光が当たる場所に長時間放置すると、インスリンの変性や含量低下を起こす可能性があるため、透明な製剤が白濁したり、懸濁製剤が透明・半透明になるなどの変化がみられた場合は、使用しないように患者に伝えておく。
室温での使用期限は製剤によって異なるので、指示された用法・用量を守って期間内に使い切るように説明する。

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