服薬指導・ 患者から集める情報

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薬効別服薬指導マニュアル 第8版

目標

適切な服薬指導を行うために、患者から集める情報と伝える情報を予め把握できる。

服薬指導

服薬指導とは、患者に医薬品を適正に使用してもらうために行う指導やアドバイスであり、処方せんからの情報のみでは対処できない。したがって、薬剤師は安全で有効な薬物治療が行えるように患者から情報を集めなければならない。
集めた情報は薬剤服用歴に記載し、服薬指導や処方監査に役立てる必要がある。さらに、情報は集めるだけではなく、患者が副作用に早期から気付くための情報やアドヒアランスを向上させるような情報を提供する。

患者から集める情報

まず、患者の体質やアレルギー歴を確認します。例えば、リゾチーム塩酸塩が処方された患者では卵アレルギー、カゼインを含有する医薬品を処方された患者では牛乳アレルギーの有無を確認しなければならない。
さらに、服用中の体調の変化を確認することにより、副作用の早期発見につながる初期症状の有無を収集する。薬物治療が適切に行われているかを評価するために、患者の服薬状況の確認(アドヒアランスの確認)をすることも重要。
保険薬局で取り扱うものは医療用医薬品だけではないので、一般用医薬品の服用や健康食品の摂取についても確認する必要がある。例えば、これまで降圧剤で血圧コントロールできていた患者が甘草や麻黄を含む漢方薬を服用した場合、血圧コントロールが不良になることもある。ハーブの一種であるセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、多くの医薬品の薬効を減弱させることが報告されている。

患者の体質、アレルギー歴、副作用歴など

便秘や下痢をしやすい、胃が弱い、かぶれやすいといった体質を聞き取り、これらに影響を及ぼ
す処方薬のチェックと副作用のモニタリングを行う。特に胃が弱い患者は、NSAIDsによる胃腸障害を起こしたり、一般用医薬品を服用していることもあるので注意が必要。
アレルギーの確認では、医薬品や添加物に使用される可能性のある食品や化粧品などについて聞き取る。また、過去に医薬品によるアレルギーを起こしたことのある患者は、類似の医薬品でも反応を起こす可能性がある。副作用も同様だが、副作用への不安など心理面でのケアも必要となる。

服薬状況の確認

患者の病状が悪化したとき、医師は病状の進行や処方薬が適切ではないと判断することがある。しかし、薬剤師は服薬ノンアドヒアランスを疑わなければならない。「薬は余っていますか」など、患者への質問の方法を工夫し、残った薬剤から服薬状況を確認すると良い。

合併症(既往歴)・他科受診(併用薬)の有無

他科受診がある場合には、その病状を確認し処方薬が禁忌でないかチェックすることが必要となる。現場でよく遭遇する禁忌例に、喘息患者にβ遮断薬、前立腺肥大による排尿困難な患者に抗コリン薬などがある。併用禁忌の組合せがないかも確認する。
禁忌であれば、処方医への疑義照会が必要となるが、併用注意の場合は作用が増強することもあるので、自覚できる初期症状を患者に伝える必要がある。

副作用が疑われる症状の有無

副作用の症状が出ているかを定期的に確認する。現場でよく目にする副作用は、薬効の延長線上(あるいは効き過ぎ)にあるもので、降圧剤のめまい・ふらつき、αグルコシダーゼ阻害剤による放屁、睡眠導入剤による一過性前向性健忘、抗コリン作用を有する薬剤の口渇・かすみ目があ
る。一般に、軽度のものは時間経過とともに消失することもあるが、持続・増強する場合は医師への報告が必要となる。
一方、発生頻度は低いが、適切な対応が遅れれば致命的な転帰をたどるおそれがある副作用もある。ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)などが挙げられる。

感想

ショック(アナフィラキシー)は、服用(使用)後すぐに生じる即時型の過敏反応であり、以前その医薬品の使用によってアレルギーを起こしたことのある患者ではリスクが高まる。また、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)は高熱(38℃以上)を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱などの激しい症状が比較的短時間に全身の皮膚、目や口の粘膜に現れる。発症機序は明確にされていませんが、関連のある医薬品の種類も多いため、予測は困難となる。

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