薬剤師の医療倫理、守秘義務の基本

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薬剤師とくすりと倫理―基本倫理と時事倫理

目標

医療の担い手として薬剤師が守るべき倫理規範を遵守する。
業務上知り得た情報について守秘義務を守る。

薬剤師綱領

日本薬剤師会は、1973年10月に「薬剤師綱領」を発布し、薬剤師の任務を明らかにした。薬剤師綱領には薬剤師の役割の基本が記載されている。

薬剤師倫理規定

日本薬剤師会は1968年8月に薬剤師倫理規定を初めて制定した。その後時代の変化に伴い、1997年
10月に前文と薬剤師が常に自ら守るべき10ヵ条からなる、現在のものに改められた。
前文では“薬の倫理”という言葉で薬剤師の倫理を表現している。

医薬分業と「薬局業務運営ガイドライン」

なぜ欧米諸国では古くから医薬分業が支持され、わが国でも国の政策として推進されてきたのか。それは、お互いに独立した立場で業務を行うことが医の倫理、薬の倫理を保つうえで重要と考えられてきたからである。
1993年に厚生省薬務局長通知として発行された「薬局業務運営ガイドライン」は、薬局薬剤師の自覚と行動を促して患者本位の良質な医薬分業を推進すること、地域における医薬品の供給や相談役としての役割を果たして、地域住民の「かかりつけ薬局」となるという目標を示したもの。また、薬局に対する行政指導の指針にもなっている。

保険薬剤師の倫理

薬剤師免許を取得すれば自費の調剤や病院での調剤はできるが、保険調剤はできない。これは何を意味しているのか。保険医は保険診療にかかわる行為、保険薬剤師は保険調剤にかかわる行為を担当し、それぞれ独立した立場で「診療の給付」に携わる。
保険薬剤師は、健康保険法や「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を遵守する必要がある。

守秘義務と個人情報保護法

薬剤師は患者の秘密を知り得る立場にあるため、弁護士や医師などと同様に厳しい守秘義務が課せられている。これは薬事に関する法律ではなく、刑法に規定されている。
個人情報保護法は2005年4月から施行された。「個人情報」とは、生存している個人に関する情報であって、氏名、生年月日などにより特定の個人を識別できるものとされている。法
令上「個人情報取扱事業者」として業務を負うのは、取り扱う個人情報の数の合計が、過去6ヵ月以内のいずれの日においても5,000を超えない事業者を除くとされている。しかし、厚生労働省による「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」によれば、5,000を超えない小規模事業者であっても義務行為を遵守する努力が求められている。
保険薬局においては患者情報が集約されている処方せん、調剤録、調剤報酬明細書、薬歴簿やその電子媒体について、収集・運用・保管・廃棄の際には十分な注意を払う必要がある。
「守秘義務」は「薬剤師は患者の秘密を守ります」という考え方で、「個人情報保護法」は、「私(患者)の情報を使うときには私の同意を得てください」という主客が逆の考え方で、後者のほうが患者の権利、利益を守る観点から進んだ考え方といえる。
薬局は患者の情報をどのように使用するのか、利用目的や基本方針(セキュリティポリシー)を示しておく必要がある。
倫理の語源はギリシャ語の「ethos」(習慣)に由来するといわれる。倫理規定は飾られているものをただ見ているだけでは意味を成さない。薬剤師個人が任務を通じて規範となる行為を繰り返して実践し、人格として身に付けることによって、初めて倫理と成るといえる。

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