「うまい話には裏がある」ことを前提にした正しい資産運用法

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臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

◾️すべて外貨で運用するべし

 一般的な日本人の資産ポートフォリオは、年金やマイホーム等、円建てのみである。ファイナンス理論では通貨も分散させるべきで、そう考えると「金融資産はすべて外貨建てにする」のが正しい戦略となる。

日本への投資は儲からない

 ROE(株主資本利益率)を国際比較すると、欧米が20~25%なのに対し、日本は10~15%と、半分程度しかない。ROA(総資産利益率)でも、欧米6~9%に対し日本3~5%と、やはり半分程度だ。
 国際市場では日本企業の利回りは低い。だからグローバルな投資基準では、日本の株は安くて当然なのだ。

ホームバイアスの罠

 外国企業のことはよくわからない、だから自国の株を買う、という心理は「ホームバイアス(自国びいき)」と呼ばれ、世界中で観察されるが、日本では際立っている。
 1997年に破綻した山一證券では、社員たちが競って自社株に投資しており、会社の破綻とともに個人資産まで失ってしまった。「証券のプロ」でさえ、「自社のことはよく知っている」「わが会社がつぶれるはずがない」というバイアスから、判断を誤った。

 日本の株式市場の時価総額は、中国市場(上海+深圳)にも抜かれ、世界三位に後退した。しかしそれでもなお、日本の投資家の多くは、世界の株式市場の6%強しかない日本市場に運用先を集中させている。

為替リスクは無視せよ

 たとえばドルに投資して、それを円に戻した際に円高が進んでいると、為替差損が生じる。すなわち「為替リスク」である。
 しかし、円高になるいうことは、日本でインフレが進まなかった(デフレになった)ということであり、購買力で比較すると大差ない。また、その間にドル安が進んだのであれば、ドルはインフレが進行したということであり、だとすると高金利が維持されたと思われ、その恩恵を被っているはずである。
 そうしたことを考え合わせるなら、為替リスクは金利と物価変動によって相殺されるのであり、投資対象を日本に限定する必要がなくなる。

◾️「財政破綻」への備え

金融市場で起きることは三つだけ

①国債の下落(金利の上昇)
②円安
③インフレ
 これらが突然やってくることはなく、備える時間は十分にある。また資産を分散しておけば、全てを失うリスクは回避できる。

預金封鎖が起きたら?

 外国に口座を開いて資金をうつせばよい。海外旅行のついでに開くこともできるし、郵送だけで開けることもある。

◾️知らずにいると損する一方

宝くじ

・1等の当せん確率は1000万分の1で、宝くじを毎回3万円分、0歳から100年間購入したとしても、99.9%の購入者は生涯当せんすることはない。
・宝くじには、購入代金の50%の手数料がかかる。宝くじの購入者は、平均して購入代金の半額を失うことになる。

医療保険

 平均入院日数は短くなる傾向にあり、当面生活できるだけの貯金がある人には、医療保険などいらない。本来必要なのは、入院が3カ月以上に渡った場合に、無制限に保険金が支払われるという保険だ。
 しかしそれでは「お得感」を感じない顧客がほとんどなので、そうした商品はつくられない。

不動産はインサイダーマーケット

 不動産取引において、業者の持つ情報量には絶対に勝てない。ババをつかまされても対抗できない。インサイダーにならない限り、不動産投資は成功しない。

◾️その他

・年金不安をなくすには老後も働くこと。
・暴落したら投資を始めるべし。リーマンショック時に投資を始めていれば、今ごろ大儲けしていた。

感想

 結論としては「外貨で資産を運用しよう」というわけで、その根拠が丁寧に解説されている。非常に納得がいった。

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