後発医薬品を患者の要望に合わせて選択する

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病院・薬局実務実習 事前学習テキスト―実務実習モデル・コアカリキュラム対応

目標

異なる商品名で、同一有効成分を含む代表的な医薬品を列挙できる。

先発医薬品(先発品)と後発医薬品(後発品)

先発品を開発した会社は、特許と再審査期間によって、権利と利益が守られている。後発品を製造販売する条件は、「先発品の特許が切れること」のみと誤解されがちだが、再審査期間が終了しなければ、実質、後発品を承認申請することはできない。
先発品は、臨床試験等で有効性や安全性を確認し承認されるが、被験者の条件が限定されているため、発売後もその医薬品の調査を進め再審査を受ける。

後発品に必要な申請資料

後発品の承認は、先発品の再審査期間において、成分の有効性や主な副作用等の情報が集積されたという前提で行われる。そのため、後発品の承認申請に必要な資料は「規格および試験方」、「加速試験」、「生物学的同等性試験」の3つに絞られている。先発品に比べて後発品の添付文書やインタビューフォームの情報が少ないのはこのため。後発品のインタビューフォームに多い「該当資料なし」の項目については、先発品のインタビューフォームを活用する必要がある。

後発品を選定するポイント

後発品の大きなメリットは、価格が安いことだが、価格のみではなく、患者に合った後発品を選ぶことが大切である。選定基準のポイントを3つにまとめる。
1. 適応症からの選定
厚労省の指導により、原則として後発品は、先発品の適応症の一部のみを申請することはできない。しかし、先発品が適応症を追加した場合、追加した適応症が再審査期間内であれば、その疾患を除いて承認申請することができる。選定する後発品が患者の適応症に合ったものか確認。
2. 安定性からの選定
後発品は加速試験により安定性を確保している。しかし、この試験は流通期間中の品質を確保しているものであり、開封条件では先発品に比べ安定性が劣る製品もある。一包化調剤が必要な患者では、無包装等での安定性試験を実施している後発品を選定する必要がある。また、自動錠剤分包機から落下した際の欠けや割れ等、耐久性についての結果も考慮すべき。
3. 包装シートからの選定
PTP等の包装シートからの取り出しやすさも考慮しなければならない。PTP包装の作りは各メーカーで異なり、特に吸湿性の高い医薬品では、PTP包装が硬いものやシートの伸縮性が高いものもある。握力の低下している患者では、ちょっとしたPTP包装材質の変化により服薬が困難になることも十分考えられる。このような場合は、後発品の製剤見本を取り寄せ、取り出しについて不安があるか確認するとよい。

薬剤師と後発品

薬剤師による後発品への変更調剤は、患者の同意のもと、銘柄変更だけでなく、一定の条件下で規格や異なる剤形への変更も可能となった。薬剤師の役割の1つに、患者の費用負担を軽減することが挙げられるが、後発品の選定には価格面だけではなく、薬学的視点から総合的に判断する必要がある。オレンジブックの品質再評価の結果も重要な判断材料になる。一方、銘柄変更により錠剤の直径が大きく異なる製剤や、形が異なる(楕円形→円形)製剤もあり、十分な説明をしないと患者に不安を与えてしまう可能性がある。(ネオドパストンとドパコールなど)
薬剤師は、薬の専門家として後発品の適正使用に努めなければならない。

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