C型肝炎患者に出されたビタミン剤

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日経DIクイズ ベストセレクション STANDARD篇

C型慢性肝炎のため、2ヶ月前からインターフェロンとリバビリンの併用療法を受けている53歳の男性Wさん

追加処方されたエパデール(イコサペント酸エチル)について説明していると、Wさんは次のような質問をしました。

Wさんの質問

このエパデールという薬は、コレステロールや中性脂肪を下げるということですが、先生からは「C型肝炎の治療薬の副作用が出始めているので、これ以上悪くならないように、薬を追加しておきましょう」と説明されました。
副作用でコレステロールが高くなっているんですか?

処方箋

レベトールカプセル200mg 3C
  1日2回(1-2) 朝・夕食後 14日分
エパデールS300 6包
  1日3回 毎食後 14日分
*今回から新たにエパデールが追加された。このほか、Wさんは週1回、外来でペグイントロン(ペグインターフェロンアルファー2b)の注射を受けている。

問題

Q ペグイントロンとレベトール(リバビリン)の併用療法の副作用のうち、エパデールの追加投与による予防効果が期待できるものはどれか。

①抑うつ ②脱毛 ③貧血 ④不眠

解答

A ③貧血

赤血球膜にはアデノシン三リン酸(ATP)の分解酵素があり、ATPを分解して得たエネルギーにより円盤状の構造を保っている。しかし、リバビリン服用中は赤血球内にリバビリン三リン酸が蓄積され、膜からのATP利用が競合的に阻害される。赤血球の変形能(レオロジー)が十分に保たれなくなり、秘蔵などの網内系で破壊される。
ここにEPAを並存させると、赤血球膜中のEPA含量が増大し、膜の流動性や粘性・弾性が向上して破壊を受けにくくなると考えられている。
なお、EPA製剤は空腹時に服用しても十分に吸収されないため、食直後(30分以内)に服用する必要がある。

C型肝炎患者に対する抗ウイルス療法について

インターフェロン・リバビリン併用療法

注射剤であるインターフェロンと、経口抗ウイルス剤のリバビリン(商品名:レベトール)を併用する「インターフェロン・リバビリン併用療法」が広く行われていた。中でもポリエチレングリコール(PEG)で修飾したインターフェロン製剤(ペグインターフェロン)は、週1回の皮下注射で済むため治療を継続しやすく、治療成功率も高い。

副作用

インターフェロンは副作用が多い薬剤であり、副作用のために薬を減量したり、治療を中断しないといけない患者も少なくない。
治療開始から1週間以内に感冒様症状(発熱、悪寒、全身倦怠感など)、数週間が過ぎた時期に精神神経症状(不眠、抑うつなど)、2ヶ月目以降は脱毛、間質性肺炎、甲状腺機能異常など。

リバビリンとの併用による問題

併用した場合には、貧血が問題となり、併用療法の中断理由として最も多い。(治療を開始してから1~2ヶ月の間に半数以上の患者でヘモグロビン濃度の減少がみられ、10g/dLを切った場合はリバビリンの減量が必要になる。さらに8.5g/dLを切った場合はインターフェロンと共に中止となる。)この貧血は溶血性貧血である。
近年、魚油に含まれる不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)製剤で、併用療法の副作用である貧血を予防できるという試験結果が報告された。

補足

漢方薬の十全大補湯にもインターフェロン・リバビリン併用療法時の貧血を予防する効果が報告されている。

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