保険調剤の基本

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モデル・コアカリキュラムに沿った わかりやすい薬局実務実習テキスト 第5版

目標

保険調剤業務の全体の流れを理解し、概要を説明できる。保険薬局として認定される条件を、具体的に説明できる。

保険薬局は、指定を受けて保険調剤を行う

日本では、すべての国民が何らかの公的な医療保険制度に加入する「国民皆保険制度」が導入されている。したがって、ほとんどの調剤は保険調剤となるため、薬局は保険薬局の指定を受ける必要がある。

保険薬局の業務上必要な申請は

薬局を開設し、保険調剤を行うには2つの申請を行わなければならない。申請の順番は、①「薬局開設許可申請」、②「保険薬局指定申請」となる。
薬局開設許可申請は、薬局としての機能構造の許可を得るためのもので、薬事法に規定されている。薬局開設許可により、一般用医薬品の販売や処方せん(保険処方せんではない)の取り扱いはできるようになるが、肝心の保険処方せんを対象とした保険調剤はできない。保険薬局指定を受けて初めて保険調剤ができるようになる。
また、近年は保険薬局で麻薬処方せんを応需することも少なくないため、「麻薬小売業の免許」を取得しておくことも必要。薬局開設許可や保険薬局指定だけでは麻薬処方せんを取り扱うことはできない。
なお、病院内の薬局は正確には「調剤所」といい、薬事法上の薬局ならびに健康保険法上の保険薬局ではない。したがって、調剤所での調剤は院内の処方せんに限られており、保険処方せんを病院の薬局に持ち込んでも保険調剤を行うことはできない。

「薬剤師」と「保険薬剤師」の違い

保険薬局で保険調剤に従事するためには、管理薬剤師、勤務薬剤師を問わず保険薬剤師として登録しなければならない。一方、病院内の薬局(調剤所)は保険薬局ではないので、病院薬剤師は保険薬剤師登録の必要はない。

「薬担規則」を遵守

保険薬局や保険薬剤師が遵守しなければならないことは「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)」に定められている。
本規則第8条の「調剤の一般的方針」の中で、保険薬剤師は「患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない」と明記されている。
これにより、医薬分業の目的は調剤だけではなく、薬学的管理・指導にあることが理解できる。さらに、保険薬局では、患者負担金の受領(第4条)、領収証の交付(第4条の2)および適正な費用の請求の確保(第10条の2)が義務付けられている。病院ではこれらの業務を主に医事課で行いるが、これらは保険薬局では保険薬局と保険薬剤師の責任となる。
また、調剤報酬には大きく分けて調剤料、薬剤料、薬学的管理指導が含まれる。多くの教科書などでは、調剤報酬の算定をした後に患者への服薬指導(薬学的管理指導)を行うと解説されているが、本来は、服薬指導後でないと調剤報酬の算定はできない。
一方、保険薬剤師は調剤を行った場合即座に調剤録に必要な事項を記載しなければならない(第10条)。したがって、薬剤師法の規定では調剤済みの処方せんは調剤録への記載の必要はないが(薬剤師法第28条第2項)、保険調剤の場合は調剤済みになっても調剤録への記載が必要となる。

集団的個別指導に

原則としてすべての保険薬局が対象となるが、一般的には調剤報酬明細書の1件あたりの平均点数が高い保険薬局が指導対象として選定される。実際の指導は、指導対象として選定された保険薬局を一カ所に集めた上で、個別の面談方式により行われる。
内容は、保険調剤の質的向上および適正化を図るため、平均点数が高いことに対する認識の確認、適正な保険調剤を行うためのアドバイスといった教育的なものとなる。

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