熱性痙攣を引き起こすかぜ薬の成分とは

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日経DIクイズ ベストセレクション BASIC篇

1歳9ヶ月の女の子のNちゃん

小児科診療所を受診後、母親に連れられて薬局を訪れました。症状を確認すると、母親は次のような質問をしました。

Nちゃんの母親の質問

昨日、この子が熱を出したので、市販のかぜシロップを飲ませたのですが、引きつけを起こしてしまいました。
前にも同じことがあったので、先生に相談したら、飲ませたシロップが原因かもしれないと言われたんです。
市販のお薬は使わないほうがいいのでしょうか。

処方箋

クラリスドライシロップ小児用 1.75g
    1日2回 朝夕食後 5日分
ダイアップ坐剤6 1個
    発熱時頓用 2回分
アルピニー坐剤100 1個
    発熱時使用 2回分
*Nちゃんが服用した市販のかぜシロップには、アセトアミノフェン、dl-メチルエフェドリン、マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、無水カフェインの5成分が含まれている。

問題

Nちゃんが服用したかぜシロップの配合成分のうち、熱性痙攣を誘発し得る成分はどれか。

①アセトアミノフェン ②dl-メチルエフェドリン ③マレイン酸クロルフェニラミン ④リン酸ジヒドロコデイン ⑤無水カフェイン

解答

③マレイン酸クロルフェニラミン

熱性痙攣を誘発し得る薬剤としてよく知られているのはテオフィリンと抗ヒスタミン剤。
抗ヒスタミン剤による発生機序は長らく不明だったが、近年ヒスタミンが中枢神経系で神経伝達物質として作用しており、ヒスタミンH1受容体を介して痙攣の抑制に関与していることが判明している。ここにH1受容体拮抗作用を持つ薬を服用すると、この抑制機構が阻害されて痙攣発作を起こしやすくなる。
症例対照研究により、関連が疑われている抗ヒスタミン剤は、PLなどにも配合されるプロメタジンのほか、カルビノキサミンなどH1受容体拮抗作用が強いもの。他にもクロルフェニラミンやケトチフェンも拮抗作用が比較的強いため同様の注意が必要。

疾患について

引きつけ(一過性の痙攣)

成人よりも脳神経系が未発達な小児ではしばしばみられる。好発年齢は生後6ヶ月~6歳で、発熱時や興奮時に、眼球の上転や意識の消失、手足の硬直といった痙攣症状が一時的に現れる。
大半は38℃以上の高熱が急に出たときや熱の上がり場などに起こる「熱性痙攣」で、症状の多くは5分以内におさまり、後遺症は残らない。
しかし、熱性痙攣の既往がある子供が、特定の成分を摂取すると痙攣発作が誘発され、重篤化することもある。

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