シェーグレン症候群による口渇にビソルボン

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日経DIクイズ服薬指導・実践篇〈4〉

5年前にシェーグレン症候群と診断された62歳の女性Hさん

総合病院での診察を受けた帰り道に薬局を訪れました。今回から処方薬が追加されていたため確認するとHさんは次のように話しました。

Hさんのお話

口の渇きが良くならないので、もう1種類、薬が増えることになりました。先生からは詳しく聞いていないので、どのような薬なのか教えてください。
それから最近、孫に「口が臭い」と言われてしまいました。先生に言われて、歯を磨くようにしているのですが・・・。これもシェーグレン症候群の影響なのでしょうか。

処方箋

①麦門冬湯エキス顆粒 7.5g
    分3 毎食前 14日分
②ビソルボン錠 3錠
    分3 毎食後 14日分
③サリベート 1本
    1日4~5回 口腔内に噴霧
④サリグレンカプセル30mg 3カプセル
    分3 毎食後 14日分
*今回から、新たにサリグレン(セビメリン塩酸塩)が追加処方された。Hさんは、今回の処方薬以外に常用している薬剤はない。

問題

Q1 ビソルボン(ブロムヘキシン塩酸塩)は、どのような効果を期待して処方されていると考えられるか。

Q2 シェーグレン症候群では、Hさんのように口臭が問題になる場合がある。この口臭は、どのような理由で出現すると考えられているか。

解答

A1 唾液(および涙液)の粘稠度の低下、分泌量の増加を期待した処方と考えられる。

シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺が特異的に傷害され、口腔および眼球の乾燥症状が出現する自己免疫性疾患。遺伝やウイルス、女性ホルモンの関与などが疑われているものの、発症機序は不明。
ビソルボンは気管支炎などに適応を持つ気道粘液溶解剤だが、気道粘液だけでなく、唾液腺・涙腺からの分泌液の粘稠度を低下させたり、分泌量を増加させる効果が期待できる。
同じ目的でチスタニン(エチルシステイン塩酸塩)やムコソルバン(アンブロキソール塩酸塩)、漢方薬(麦門冬湯や白虎加人参湯など)が使用されることもある。

A2 口腔内を洗浄・殺菌する効果がある唾液の分泌量が減少するから。

シェーグレン症候群では唾液分泌量の低下により、唾液による口腔内の清浄・殺菌効果が減弱するため、虫歯・歯周病・口臭などが発生しやすくなる。
また、唾液量の減少により、味覚障害・嚥下困難・会話困難・口角炎・舌の発赤などが起きる場合もある。

薬について

サリグレン(セビメリン塩酸塩)

サリグレンは口腔乾燥症状改善剤として発売されたムスカリン性アセチルコリン受容体の作動剤で、唾液腺の副交感神経を刺激することで唾液分泌を促進する。コリン作動剤であるため、嘔気・腹痛・下痢などの消化器系副作用などに注意しなければならない。

サリベート

噴霧識の人工唾液。シェーグレン症候群などによる口腔乾燥症状に適応があり、よく使用されるが、独特のにおいがあり、不快感を感じる患者も少なくないようである。
眼乾燥症状には人工涙液(マイティア)などの点眼薬が使用される。

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