「食える子」を育てる!!未来を生きる子供たちが習得・体験するべき「本当の学び」とは何か

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週刊東洋経済 2017年2/11号 [雑誌](「食える子」を育てる 21世紀の読み・書き・そろばん)

 本号では、これまでの学力重視の教育から、「考える力」や「情報編集力」の学習へとシフトしつつある中で、最新の教育現場をリポートしている。奈良市立一条高校の教育改革や、STEM教育、デルタスタジオの取り組みなど、興味深い記事が満載。中でも、興味深い記事やその内容をピックアップする。

現場は「従来型の教育」と「新しい教育」に二極化か

 2020年の教育改革で、主体的に学び、考え、表現する能力が重視されるようになるが、偏差値に基づいていい大学を目指すという従来型の教育も、すぐにはなくならないという指摘がある。大学イノベーション研究所の山内太地所長は、アクティブラーニング型の授業で考える生徒を増やす上位校と、従来型の詰め込み教育から抜け出せない下位校へと、高校が二極化していくと予想する。

鳥飼玖美子氏が英語の早期教育を批判

・意識的に苦労しなければ、外国語は身につかない。「幼児期に英語を始めれば、楽に英語が身につく」というのは思い込み。
・非英語圏からの移民が多いカナダの研究では、母語を習得してから移住してきた子は、英語もおぼえるのが早い。これに対し、母語確立前の幼児期に移住してきた子は、発音こそあっという間に習得するものの、読み書きにはむしろ長い時間がかかる。つまり、幼少期には英語学習よりも日本語で読み書きできる力をつけるほうが意味があると言える。
・英語が重要だと思うなら、子供にプレッシャーをかける前に、まず親が学ぶべきだ。

親が楽しげに学ぶ姿、片言であっても親切に道案内する姿を子どもに見せること、それこそが教育だ。(P53、鳥飼氏)

経済格差が生む「体験格差」

 子供の多様な能力をはぐくむために、多様な習い事や体験イベントがある。しかし親によっては費用が悩み。ベネッセ教育総合研究所の調査では、年収800万円以上と500万円未満の世帯では、平均教育費に約二倍の差がついている。家庭の経済格差は、学習の機会の差にも直結している。文部科学省もこれを問題視し、2017年4月から、母子家庭など困難を抱える親子を対象に、自然体験活動を支援する事業を始める。

私の子育て論

夏野剛「ハマる姿を子どもに見せる」

私の子育てのモットーは好きなことを存分にさせること。

親が気をつけるべきは、自分が好きなモノを持たないのに、子どもに「見つけろ」と要求すること。まずは親自身が好きなことにハマっている姿を見せるべき。子どもと一緒に楽しむことが、何よりの教育のはずだ。

藻谷浩介「崩壊学級でこそ人は伸びる」

これまで多くの人生を目撃して痛感したが、生きるうえで必要なのは家族を含む周囲と協働(コラボレート)できる力。競争(コンピート)する力ではない。

政界でもマンションの管理組合でも被災地の避難所でも同じだが、現実の人間集団は崩壊学級のようなもの。そこをまとめるリーダーは、お利口ちゃんを集めた受験校では育たない。崩壊学級で悪戦苦闘した経験こそがリーダーを育てる。

読書候補

吉井妙子「天才をつくる親たちのルール」(吉井氏による記事「天才を育てた親に学べ」(P68)は読みごたえがあるが、共通性や普遍性の抽出が足りないように思う。応用はしにくい)
感想

 藤原和博氏がインタビューで、子どもの教育について「10歳まではしっかり遊ばせること」と説き、また「十分に遊ばせられなかった人には、一つの方法として留学がある」と述べている。つまり正解のない状況でいかにもまれるかが大切なのだろう。藤原氏はそこで試される力を「情報編集力」と表現しているが、必ず正解がある問題を解くだけの「情報処理力」だけでは、これからはやっていけなくなるのだ。
 「私の子育て論」でのお二人の見解からも、同じことを感じた。教室の外にこそ、本当の学びがあるのだ。

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