DDS(ドラッグデリバリーシステム)

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ドラッグデリバリーシステムの新展開―究極の薬物治療をめざして (ファインケミカルシリーズ)

DDSとは

医薬品の有効時間を長くしたり吸収を改善したりするための技術。

放出制禦

徐放製剤化

薬をゆっくり溶け出させることで、血液中の薬物濃度を一定に保たせる。
半減期の短い薬物の場合、すぐに薬の効果が消失するために何回も薬を服用する必要がある。そのため、薬を服用した後にゆっくり放出するように製剤化を施し、服用回数を少なくさせる。

腸溶性製剤

胃では溶けずに腸で溶けるように設計する。
一部の薬は胃酸によって分解される。そのため、これらの薬が胃の中で溶けると有効成分が分解され、薬としての効果が消失してしまう。そこで、胃では溶けずに腸に達することで初めて錠剤やカプセルが溶け出すように設計する。
胃と腸ではpHが異なる。胃内は胃酸(塩酸)によって強酸性条件に傾いているが、小腸はアルカリ性に傾いている。そのため、このpHの差を利用することによって腸で薬物を放出させることが可能になる。

吸収改善

プロドラッグ化

有効成分自体の構造を変換し、腸からの吸収改善を行う。有機化学による手法を用いることでもDDSにすることが可能。
有効成分自体の構造を変換することによって薬物の吸収率を改善させる。体の中に入った後に酵素などによって代謝され、活性本体として薬として作用するようになる。

投与経路の変更

腸からではなく、鼻や肺などから薬を吸収させる。腸などの消化管は肺や鼻などに比べて薬物の吸収が難しい投与部位である。
肺や鼻は小腸などの消化管に比べて薬物が吸収されやすい部位である。例えば、ペプチドなどの高分子が腸から吸収されることは考えられないが、鼻からであればペプチドなどの高分子であっても薬が吸収される。

標的志向

薬剤の修飾

高分子による修飾などを行い、目的とする標的に効率よく薬剤を届ける。
ある特定の大きさの粒子はがん細胞にのみ集まる性質をもつようになる。
正常細胞はきちんとした血管壁によって粒子が通り抜けることができない。しかし、がん細胞では不完全な血管壁によって穴が開いている。そのため、粒子がこの穴を通り抜けてがん細胞にのみ蓄積する。(EPR効果)

目的部位に直接投与

作用させたい標的部位に直接投与するように設計する。
吸入薬は薬剤を口から吸い込むことによって肺や気管支に直接薬剤を届けることができる。気管支喘息では気道に炎症が起こっているが、薬剤を吸入薬として吸い込むことによって目的部位に直接投与することが可能になる。
副作用の強い薬としてステロイドがある。ただし、吸入薬としてのステロイドであれば気管支や肺だけに作用させることができる。そのため、強力に炎症を抑えつつ副作用も少なくさせることができる。

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