風が植物に与える影響をまとめた専門書.

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風と光合成―葉面境界層と植物の環境対応 (自然と科学技術シリーズ)

風が植物の光合成におよぼす影響をまとめた学術専門書.
1990年初版.現在絶版.

理学や化学的な内容というより,より作物生産の現場に近い,植物の生育環境が植物の生長におよぼす影響を調査研究した書物のようです.

植物の生育におよぼす環境要因として,温度,湿度,光,二酸化炭素などが有名ですが,
本書は”風”に着目した研究結果です.
(二酸化炭素を植物に運ぶのは"風"である.という観点のようです.)

そこから,風により葉の表面にできる抵抗(葉面境界層抵抗),流体力学系のお話に転じます.

内容は専門的で素人には少し難しい部分もありますが,全体的に読みやすく,
測定データも豊富に掲載されており,
読み物としても,実用書としても,学術書としても素晴らしい本だと思いました.

必要な情報が記載されているか探しやすいよう,目次を掲載させていただきます.
___________

目次

序章 風への接近

1.ローザムステッド試験場
2.二酸化炭素施肥研究からの疑問
3.先人たちの光合成研究
4.光合成を定量的に把握する

第一章 光合成から見た植物の環境対応

1.風速によって変わる二酸化炭素吸収
2.湿度と温度との関係
3.光強度では推量できない光合成速度
4.気孔の開閉条件を探る

第二章 自然環境下の植物で見る風と光合成

1.風にそよぐ葉
2・ロゼット型の葉の意味
3.多収穫と葉形
4.栽培密度と風
5.田んぼでファンをまわす
6.温室内にもファンを

第三章 風と葉の諸関係

1.大気から葉緑体に至る関門
2.葉を包囲する葉面境界層
3.風速と葉面境界層
4.風に対する葉の角度と葉面境界層
5.葉の揺れと葉面境界層
6.葉の大きさ・形と葉面境界層

第四章 二酸化炭素拡散のカベ

1.葉面境界層の抵抗値
2.気孔の抵抗値
3.表皮抵抗・葉肉抵抗
4.拡散抵抗理論から求めた光合成速度
5.葉面境界層理論の実証実験

第五章 植物群落での検証

1.群落光合成を把握する手法
2.熱帯乾燥常緑樹林での測定
3.サトウキビ畑(タイ国)での測定
4.水田の光合成速度を測る
5.群落内はどんな風が吹いているか
6.植物群落の種類と光合成

第六章 根圏のガス環境と作物の生育

1.土中の二酸化炭素と光合成
2.団粒構造とガス環境
3.気根で光合成するマングローブ

感想

内容が濃すぎて私の能力ではまとめられませんでした.
風と光合成(植物)をテーマにミクロなお話(葉面境界層)からマクロなお話(熱帯乾燥常緑樹林)まで幅広く展開されておりとても面白く読むことが出来ました.
ブルーバックスで再販していただけないのでしょうか…(勝手な願望です).

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