サラが連れていた子は誰の子だったのか

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白河夜船 (福武文庫)

【夜と夜の旅人】
茂美は1年前に死んだ兄の芳裕が付き合っていたサラの手紙を読み、当時を思い出していた。
サラはボストンの大学生で日本文化の研究のために日本に来ており、いずれアメリカに変える予定であった。

3か月前まで一緒に住んでいた毬絵が雪降る夜に茂美の部屋の窓をたたいた。
家に上がってきた靴を履いていなかった。
毬絵は「芳裕の夢を久しぶりに見た」と告げ、雪景色の中に消えていった。
翌日、茂美の母がトイレに行った際に、毬絵に会ったことを話し、「毬絵の家でうまくいってない」と推測した。

芳裕から帰国の電話があったとき、茂美はサラとダメになったことを知った。
毬絵を誘うようにお願いされ、電話をした際に、毬絵が芳裕とサラで三人で食事したこと、また2人はもうだめだということが伝わってきたことを、毬絵から茂美は聞いた。

茂美が学校へ行くと、友人の研一から「お金を返すので、明後日の昼ごろに電話しろ」とロッカーに張り紙があった。
このことを田中に話した際に、田中から毬絵を夜中によく見かけることを告げられた。

茂美がバイトが終わった帰り道にその暗い店に行ってみると毬絵がいた。
その時、サラが妊娠していたこと、サラが芳裕とボストンの幼馴染でふたまたかけていたことを知らされた。
また、無言電話がかかってきており、サラが日本に来ていないか茂美に聞いた。
朝早く茂美のところにも無言電話があり、それはサラからであることが会話より判明した。
サラは、日本に来ているが会えない、と言った。

お金を返してもらう日にホテルに研一と待ち合わせし、食事をし終えた後に、外国人の子を見つけた。
その子の先を追うとサラがおり、サラも茂美に気づいた。
茂美にはサラが会えないわけ、話が出来ないわけ、電話をかけずにいられなくなったわけ、全てを悟った。

茂美が家に帰ると毬絵が居間にいた。
毬絵は、芳裕と夢の中で会った、と言った。
毬絵は家に泊まることになった。
毬絵に「あの人は何だったの?」と問われた茂美は「あの人は人間じゃなかった」とあらゆる意味で答えた。
二人は話にふけ込みながらそのまま寝てしまった。
ブラウン管の明かりが彼女らを照らしていた。

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