「まーちゃん、世界で一番君を✖✖してる。嘘だけど」
物語の始まり
御園マユ。
僕のクラスメイトで、聡明で、とても美人さんで、すごく大切なひと。彼女は今、僕の隣にちょこんと座り、無邪気に笑っている。
リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏な我が街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。誘拐は、ある意味殺人事件より性悪な犯罪だ。殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。ズレた人生を、続けなければならない。修正不可能なのに。理解できなくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。
――あ、そういえば。
今度時間があれば、質問してみよう。
まーちゃん、キミは何で、あの子たちを誘拐したんですか。って。
あらすじ
「まーちゃん」
マユの髪を指で梳きながら、諦め交じりに問いかけた。
「君、あの子を拉致っちゃった?」
「うん!」
当たり前のように、元気いっぱいの返事を頂戴した。
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舞台となる街では、続けざまに殺人事件が起きていた。同時に子供二人の行方不明事件も。
みーくんは推測通り、行方不明になっている少年と少女をマユの部屋で発見する。
だが、誘拐された状況も、少年少女の態度も不自然だった。
みーくんはマユの動向に関することや、誘拐に関して調査を進めていく。かつて凄惨な事件に遭い大きなトラウマを背負うことになった2人。どうやら警察から犯人として疑われているようだった。
実際に誘拐まがい(?)のことをしていたマユが1番危険な状況だと気づいたみーくんは、マユや誘拐された子供たちとぶっとんだ日常を送りながら、本物の殺人犯を捕まえるために、マユの誘拐事件の免罪(?)を払拭するために行動に出る。
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感想
第13回電撃小説大賞の最終選考で物議をかもした問題作、だそうです。
文章は入間人間氏独特の一人称で、みーくんの「嘘だけど」という呟きが癖になります。文章は砕けていて難しい漢字が多く使われていますが、読んでいて苦にはなりませんでした(ただ私が何も考えないで読んでるだけだと思われます笑)。
是非一読してみてください!! とても明るくハッピーな作品です。嘘だけど。
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