ワードプロセッサーはアイディア製造のインキュベーターである。

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「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

第4章 アイディア製造システム

理想的なインキュベーター

 知的な人々を周りに持つことだ。そして、さまざまな問題を話し合う。そこでの刺激の中から、アイディアが生まれてくる。これは、アイディアを産み、育てるための理想的なインキュベーターであろう。
 しかし、これは誰にでも手に入るというものではない。それどころか、実は理想郷であって、普通の人にはほとんど望みえぬ代物だ。
 誰にも利用できるアイディア製造システムの一つにパーソナルコンピューターがある。

アイディア生成の過程

取り掛かり

 テーマが決まれば、それについて考え付いたことを、メモの形で書いていく。この際、あとの編集のために、ワードプロセッサーのファイルに入力することが必要である。
 ある程度進んだところで、もっとも主張したい点は何かを明確にし、仮の結論、または仮説を設定する。論文の要約やサマリーというものは、論文を書き終えてから書くのではなく、出発点においてすでに存在しているのである。

ゆさぶり

 アイディア生産では、「疑惑」のプロセスを意識的に持ち込むことが必要だ。具体的には、別の角度から考え直して論点を組み替えたり、論理の道筋を組みなおす。全体の構成を考え、論述の順序を再検討する。
 このためには友人に話すのが良い。できれば読んでもらう。あるいは、関連する本や文献を読む。

結晶過程

 論旨を今一度確認し、他人を説得できるように理由をつけて構成する。余裕があれば、この問題を取り上げた理由、他人の意見などを述べ、最後に、このレポートでやり残したこと、限定条件などを述べる。

取り掛かり

 問題を考えていることが重要である。とにかくも、ある仕事に取り掛かり、それに浸かっていること、仕事に関し「現役でいる」ことが重要なのである。実際、ニュートンは、「どのようにして万有引力を発見したか」という問いに対し、「つねにそれを考えることによって」と答えたという。
 ワードプロセッサーの登場によって、切り貼り編集機能を用いると、どこからでも書き始められるので、文章を書き始めるイナーシャ(慣性)が大幅に減ったのである。あとでいくらでも治せるから、気張らずに書くことができる。だから、一行でも良いから、ファイルに書き込んでおく、それが「取り掛かり」になる。取り掛かりを作っておきさえすれば、後は、それを修正し、改良することで、徐々に成長する。こうして、仕事に関して「現役になれる」のである。

自分自身との対話

 「意識的活動」によって問題を頭の中にインプットしておくと、「無意識的活動」によってそれが処理され、何かの機会に解答として外に出てくる。
 立花隆氏は、インプットとアウトプットの間は、頭の中で無意識のうちに進められる操作であり、ブラックボックスだという。その間は、「頭の中の発酵を待つ」のだという。同じことを外山滋比古氏は「寝かせる」と表現している。シャーロック・ホームズも、しばしば事件の最中に捜査を注視して音楽会に出かけ、ワトソンを当惑させている。

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