大企業の法人税納税額は不当に低い!

812views折笠 隆折笠 隆

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税金を払わない巨大企業 (文春新書)

大企業は国に税金を払っていない

  • 利益に対する法人納税額を「実効税負担率」とする。例えば13年3月期の、負担率が低い主な企業は、三井住友フィナンシャルグループ(1480億の利益に対し、法人税300万)、ソフトバンク(同789億に対し500万)など信じられない低さ。その要因は優遇税制(=仕組みの不備)。
  • にもかかわらず、経済界のリーダーは法人税減税を叫ぶ。理由は「グローバル競争に打ち勝つため」。もう十分恩恵は受けているのに。

大企業はどのように法人税を少なくしているか

  • 納税額を少なくする手口は、①大企業に有利な制度の活用(受取配当金が課税対象外になるなど)、②節税テクニック(海外系列企業への取引で親会社の利益=課税対象を減らすなど)といったもの。これに経営情報の不透明さ、自主申告ゆえの会計操作が加わり、課税対象利益を減らすことに成功する

激化する世界税金戦争

  • 企業の多国籍化で、国際課税に関わる税逃れも目立つようになった(アマゾン・ジャパンは日本に法人税を支払っていない)。各国は法人税を下げて国外流出を防ぐが、税収が減ってしまう危険をはらむ。そこで国同士が連携して課税強化に挑み始めた。
  • 企業が納税するのは所在する国か、実際に利益を出している国か。課税が重複しないようにと進めた結果、多国籍時代では「どちらにも納税しない」抜け道が出来てしまった。大問題だ。

富裕層優遇と消費増税

  • 日本では所得が1億を超えると、逆に所得税率が低くなる傾向がある。理由は、(株式市場活性化の理由で)株式の譲渡所得が軽減税率を採用していたため。1億以上の超富裕層は勤労所得よりも株などによる所得比率が多いため、トータルで税率が低くなってしまう。
  • 所得税の累進度は崩壊し、消費増税で国内需要は萎縮。これが引き金となり輸出主導の政策をとると、恩恵を受ける大企業と、消費減退が直撃する中小企業の差はますます広がってしまう。

崩壊した法人税制を立て直せ!

  • 消費増税より前に、まず大企業や富裕層優先の欠陥税制を変えよ。法人税が下がれば、経済が活性化するというのはウソ。過去の例から、法人税を下げても経済活性化は保証されないし、そもそも大企業を束縛するほど法人税を搾り取ってはいないではないか。
  • 政府税調の検討案の中では、受取配当金の課税控除見直し、租税特別措置の廃止縮小、課税特例(優遇税制)の見直しには賛成。大企業優遇のツケを庶民が負担する現状をすぐに変えなければいけない。

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