高齢者の幸せに関する二つの主張と、超高齢者に重要な「老年的超越」

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話が長くなるお年寄りには理由がある (PHP新書)

高齢者の幸せに関する二つの主張と「老年的超越」

活動理論

  • 「活動理論」は活動的、積極的に生きる「生涯現役」の考え方。

離脱理論

  • 社会から引退し、若い頃とは違う穏やかな生活をするほうが幸せという考え方。

見直される離脱理論

  • 80歳以上の人に生涯現役が可能かという課題が出てきて、「離脱理論」が見直されてきた。
  • 社会学者のトルンスタムは離脱理論のポイントとして、身体的な健康、社会的な活動や役割を重視せず、社会的ネットワークの縮小にこだわらない「老年的超越」を身につけることを提唱している。

老年的超越に関するトルンスタムの調査と3つのポイント

トルンスタムの調査結果(老年的超越が高い20%の人の特徴)

  • 年齢が高い
  • 活動的
  • 専門的職業がある
  • 比較的都市部に住む
  • 大病の経験

①自己概念の変容

  • 心身、容姿に対するこだわりが低下する。
  • 利他主義的な考えになる。
  • 自身の人生を肯定し、自己満足感が高まる。

②社会と個人との関係の変容

  • 一般的な社会的価値(地位、役割、富)に執着しなくなる。
  • 表面的な人間関係を重視しなくなる。
  • 善悪の困難さを悟る。

③宇宙的意識の獲得

  • 現在、過去、未来の区別が消滅し、いったいとして感じられる。
  • 時間的・空間的に離れた人との繋がりを感じる。
  • 人類全体や宇宙との一体感が生まれる。
  • 死は一つの通過点と考えるようになる。

高齢者の状況と老年的超越

一人の時間を持つことの重要性

  • 高齢の方は、自分を抑えた関係づくりよりも、その人らしい、自然体の関係作りを求める傾向が強い。
  • 一人の時間をつくって、その人に対する思いを巡らすなどイマジネーションの世界を大切にされている。
  • 同居している方より、別居している方が老年的超越が高いという調査結果があり、表面的な繋がりかどうかでなく、心の中で繋がりの方が重要と考えられている。
  • 共感力が高まり、会ったことがない人との繋がりを感じることがある。

老年的超越の日本人的な特徴

  • 寿命を超えた長生きについて、生の不思議さと、身体能力の低下による死を感じ、共に身近で近いものと感じる。
  • ご先祖と次世代との繋がりを感じ、過去、現在、未来と命が繋がっている中で自分が存在していると感じる。
  • 時間的・空間的超越をする方は少ない。
  • 女性の方が老年的超越性が高い。
  • 社会と個人との関係に関する価値観が変わる。
  • 「自然のままに生きる」「ありのままに生きる」という感覚が強い。
  • 「おかげ」「ありがたい」という感覚が強い。

老年的超越と介護

親を頑張らせすぎない

  • いつまでも立派だった親であって欲しいという想いや、70歳の生涯現役の価値観を押し付けてしまう。
  • 諦めることより、やって出来なかった方がネガティブな気分になる。

メンタルケア

  • うつの一つの目安は、食う寝るが好調か。
  • 身体の不調を訴えやすいのがうつ、身体の不調を受け入れるのが老年的超越。受け入れすぎて必要な事を言わないこともあるが、そのデメリットも受け入れてしまう。
  • キレる人にはキレる理由を探すことから。
  • 身体より、心の内面を聞く方がいい場合が多い。

一人で過ごす時間を作る

  • 高齢者にとって思索する時間は重要。
  • 繋がりは欲しいけど、頻繁だと体力、気力が続かないので、週に1回くらい人と会いたいという人もいる。

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