あの人は今! 日本の近代史を支えた大名達。

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江戸300藩 殿様のその後 [kindle版]

旧大名家が近代化に果たした役割

①皇室:皇室の支え手として旧大名の多くが宮中で活躍
②教育:藩校の維持、学校の新設、奨学金の設立
③地方経済:名産振興への尽力、北海道の開拓など
④政治:貴族院議員として活躍
⑤軍事:軍高官になった例も多いが、第二次世界大戦中は二等兵などに徴兵され戦死した例も多い
⑥文化の継承:大名家の宝物などを自治体、大学などの寄贈するなど
⑦その他の役割:学問、馬術振興、マスコミ関連企業への進出

明治以降、旧大名家は経済的に恵まれていたが、第二次世界大戦後そのほとんどが失われ、
華族制度も廃止された(昭和22年)。現在はサラリーマンになっている方も多い

収録されている大名家

大政奉還時に存在した270藩
明治元年に大名と認められた 御三家付家老 5家、旗本交代寄合 6家、岩国吉川家、琉球王朝家
また、徳川宗家、御三郷3家、徳川慶喜家 の計288家

本書は『平成新修旧華族家系大成』(霞会館編纂)を基本とし、情報収集している

おもしろ大名家・・・[ ]は藩所在地の現市名

犬山藩 成瀬家[愛知県犬山市]

明治維新後尾張徳川家付家老の成瀬家が独立した藩として認められる。
明治の濃尾大地震で破損した犬山城の修復を条件に、城の所有権を得、
平成16年財団法人犬山城白帝文庫に移管するまで、個人で犬山城を所有していた。

伊予松山藩 松平(久松)家[愛媛県松山市]

徳川家康の異父兄弟に始まる家系。
最後の藩主定昭氏には子がなく、分家から養子を迎えた。
その子 定武は第二次世界大戦後、参議院議員を経て愛知県知事となり
名産のみかんジュースに「POMジュース」の名を付けた。
現当主の定成氏は昆虫学者で愛媛大学の元教授。

福岡藩 黒田家[福岡市]

豊臣秀吉の軍師として活躍した黒田官兵衛如水の嫡子長政が藩祖。
幕末まで12代を伝えるが、7-9、11,12代目は他家からの養子。
明治33年に赤坂の江戸屋敷を羽田に移すが、その敷地は後に羽田空港の滑走路となるほど広大。
庭でバードウォッチングが楽しめたためか、14,15代目に当たる当主は鳥類学者。
15代目長久氏は日本野鳥の会会長も務められた。
16代目長高氏は如水興産という会社を経営。地元福岡などで活躍されている。

人吉藩 相良家[熊本県人吉市]

鎌倉時代に遠江相良から移り、680年にわたり人吉を治めた大名。
最後の藩主頼基は相良ヶ35代当主。
37代当主頼綱は、東京外国語大学でドイツ語を治め、帝室林野局や大典使典儀官などを務めるが
毎年人吉に帰省し、東京にも故郷出身の学生のための寮を建設する。
妻との離別や終戦などを経て、側室の方と人吉に戻り、回転焼き屋を営む。
相良家別邸を市に寄付するなどし、晩年まで市民に愛されたようである。

感想

おもしろ大名家は独断と偏見で選ばせていただきました。

明治維新直後こそ特権階級だったものの、その後の子孫の運命は様々。
金銭に困り犯罪者として服役した方、第2次世界大戦で軍人(幹部クラス)になった方、雑兵(失礼)として戦死した方、会社経営に成功し、今も繁栄を続けている方・・・個人的には、出身地のお殿様が名君扱いされていて嬉しかったのですが、時代の流れの残酷さも多々感じました。
そして、時代小説やドラマが好きな方は、この本を1冊持っているとより作品が楽しめるのではないかと思いました。故郷のお殿様を探したり、人によって多様な楽しみ方ができる一冊です。

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