マハーバーラタには全てがある

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マハーバーラタ戦記―賢者は呪い、神の子は戦う

マハーバーラタの読み方

インド哲学の授業では、「マハーバーラタ」を読むのに、三通りの読み方があると言われています。
一つ目は、物語そのものとして楽しむ。二つ目は、哲学的考察を加えて読む。三つ目は、カルマ的考察を加えて読む。
一つ目は、原典をそのまま読めば可能ですが、二つ目と三つ目の実施は、自力だけでは容易ではないでしょう。考察を経た何らかの事例を読む経験が必用かと思います。
この本が、それを経験させてくれます。

「マハーバーラタ」は、インドの賢者「ヴィヤーサ」によって、正しいダルマにかなった生き方を人類に伝えたいと考え語られた大叙事詩です。彼は、人間が自分に、あるいは他人に苦しみをもたらす過程を、理解してもらいたいと考えました。さらに、ものごとのうわべだけでなく、内なる意義にも目をむけてほしいと考えました(著者記述)。

筆者が原典の英訳文筆家諸氏の作品を研究し、この物語を哲学的観念から深く理解した上で本作品を作成されているのがその情熱とともに伝わってきました。

本書はその原典の縮約です。粗筋を簡潔に伝えるだけでなく、奥深い寓意や精神性をすくい取ったその仕事ぶりには、敬意と驚きを感じざるを得ません(訳者後述)。

第一部からバガヴァッドギーター登場までの見出しを紹介します。

第1部 祖先

・シャンタヌ王の謎の妃
ガンジス川にて
・王女アンバー、ビーシュマに復讐を誓う
・賢者が生んだ二人の王子
ヴィーヤーサ登場
・人になったダルマ神
ヴィドウラ誕生

第2部 一族

・王女クンティー、太陽神の子を産む
クンティー登場
・ふたりの婚礼とひとりの出産
パーンダヴァ兄弟誕生
・ドゥルヨーダナの陰謀
・アルジュナ、弓の名人ドローナの弟子となる
エーカラヴィヤ登場
・太陽の子カルナと賢者パールカヴァの出合い
カルナ登場
・カルナ(切り取った者)、ドゥルヨーダナの腹心となる
・蝋の家
・ビーマ、魔物と恋に落ちる
・王女ドラウパディの数奇な運命
クリシュナ登場
・アルジュナ、巡礼の旅にでる
・焼き尽くされた森
・ユディシュティラ、世界一の宮殿を手に入れる

第3部 帝国

・ビーマ、地上最強の戦士となる
・さいころ賭博の悲劇
・パーンダヴァ兄弟、追放される
・死神から夫を救った王女の話
・アルジュナ、父インドラ神を訪れる
シヴァ神登場
・ビーマ、さらなる力を授かる
ハヌマーン登場
・死の水場
ダルマ神登場
・十三年目の危機
・宦官アルジュナの出陣
・和平か、戦いか?

第4部 戦い

・カルナの実の母への誓い
・王妃ガンダリー、はじめてめかくしをとる
・カルナ、カウラヴァ軍から脱退する
・両軍、クルクシェートラの大平原に集結
・ドリタラーシュトラの願い
・開戦の日
・クリシュナ、アルジュナに真のダルマを説く
バガヴァッドギーター
・・・

第5部 平和

・・・

感想

マハーバーラタには全てがある、と言われています。また読者の誰でもが、自分自身を、登場人物の誰かに当てはめることができるとも言われています。

インドでは、マハーバーラタの登場人物の中で一番人気は、カルナです。
その理由は、彼には人間味があるからと思っていました。しかし、第4部の「カルナの実の母への誓い」を読んで、カルナこそが自分なんだと感動しました!

また、哲学的考察の記述に関して、自分が特にそれを感じたのは、「アルジュナ、弓の名人ドローナの弟子となる」のドローナによる「エーカラヴィヤ」への仕打ちの哲学的背景でした。まさか、そんな考察があったとは!

既に原典を読了された方にも是非とも読んでいただきたいと思います。
そして、途中で投げ出された方にこそ、読んでいただきたい。自分がまさに、途中で投げ出していた後、この本を読んで最後まで読み上げる興味が沸きました(^^)v

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