採用経験者から見た学生の勘違い:面接は(×)能力を競うコンテスト,(○)共に働く仲間を探す対話の場

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就活の勘違い 朝日新書 [kindle版]

企業の採用担当経験者から見た就活性が抱える課題

(1)採用側が見えていない
 他者の視点を想像できていない 

(2)就労経験が乏しく,「会社」や「組織」で働くということが理解しきれていない
 学校で,仲間たちと楽しくやれればよいということではない

(3)異質な人との出会いや自己表現する機会が不足している
 社会構造の変化により,年齢や文化,生活環境の違う人たちとの交流が減っている

(4)就活は努力だけでは上手くいかない
 受験とは違うことを実感として理解しきれていない

採用側を知る

企業側から見た採用プロセスを知る

(1)学生への情報提供
・インターンシップ(大学3回生向け)
・様々なHPの整備
・会社説明会

(2)従業員の派遣
・エントリー者向け会社説明会
・リクルーター

(3)選考
・エントリーシートの確認
・SPI試験,リクルーターによる1次面接,グループ面接,個人面接
・内々定者の確保

(4)入社準備
・内定式の準備と実施
・内定者フォロー
・入社式の準備と実施
・新人研修の準備

学生から見た採用プロセス

・インターンシップ
・会社説明会
・仮 and/or 本エントリー
・エントリーシートの提出
・エントリーした企業の説明会
・リクルーターと出会う(+1次面接?)
・SPI試験,グループ面接,個人面接
・内々定の確保
・内定式
・入社式

学生から見た採用プロセスは純粋なタイムスケジュール
企業側から見た採用プロセスとの受け止め方の違いを理解する

採用側を知る

・採用は一緒に働く仲間を探す行為であり,面接は自身の素晴らしさを示すコンテストではない
 ※技術職や専門職は必ずしもこの限りではない

・新卒採用の判断基準は
(1)人としての魅力 : 辛いことがあっても一緒にがんばれそうか,社風に合うか
(2)潜在力 : 今後会社で力を発揮してくれそうか

就活を行う上での心得

・マスコミ情報やネット情報を見て就活しているつもりにならない
→情報は人と出会い,自分の足で稼ぐ

・面接はコンテストではない,コミュニケーションの場である
→どれだけ素晴らしい成果を上げたかではなく,そのためどのように考え,行動したか

・ノウハウやマニュアルに依存しすぎない
→個性が出せず,かえってマイナス評価につながる場合がある
→自分の世界を広げるチャンスを自ら棒に振ることになる

・ペーパーの自己分析には限界がある
→人と出会い,他者との考え方の違いが自身をより深く知ることにつながる
 事実,就活を通じ,人間として成長する人は多い

・学生は「大企業志向」なのではなく「知っている会社志向」
→世の中には目立たなくても働きやすい会社はたくさんある
→親など身近な社会人と話してみる
→逆説的だが,難しく考えすぎず,縁のあった会社で働いてみる

技術としてのエントリーシート・面接対策

エントリーシートは面接の材料

(1)1つの話題,1つのエピソードに絞る
(2)「何ができるか」,「何をしたか」ではなく,「どのように変化したか」
(3)面接を意識し,自分の得意なネタに持ち込めるようにする

面接はコミュニケーションの場 ※浮足立たない

(1)短く簡潔に話す :採用担当者は疲れている
(2)一緒に面接を受けている学生や周囲の状況に気を配る
(3)討議していることの本質は何かを考える
(4)とにかく場数を踏む

逆説的だが,1つ内々定をとれると落ち着いて面接に挑めるようになる
内々定をとることを目指す

感想

著者は自身の娘さんの就職活に関わるうえで,学生の考え方や立場を知り,有用な助言ができるよう頭を悩ませながら本書を書いたようです.
頭で理解できても行動に移せるかどうかは悩ましいところがありますが,とてもよくまとまっており,かつ社会人(親)としての誠意を感じる良い本でした.

面接では,「御社が第1希望」と言ってしまってよいと言い切るなど,まじめな就活性にとっては有難い意見や,具体的なエントリーシート,面接の対策が載っていて,読み応えがあります.切羽詰まった人には向かないと思いますが,修士一年生など,本格的な就活にはまだ時間的余裕のある方には有用なのではないでしょうか.皆様の検討をお祈りします.

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