司法試験・司法書士認定考査学習者向け

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要件事実の基礎―司法試験法科大学院

民法の裁判規範性
 民法 生活規範のほかに裁判規範でもある
 法律要件分類説
  権利根拠規定・権利障害規定・権利阻止規定・権利滅却規定の4つに分類

民法総則と要件事実

権利濫用
 一般条項
  主要事実説 評価根拠事実を主要事実とする(現在の通説)
  間接事実説

  主観説 害意を要する
  客観説 客観的に不当であれば足りる
  総合説(通説)害意があると認められやすい

未成年を理由とする取り消し
  未成年であること 抗弁事実
  法定代理人の同意 再抗弁説が通説
  取消権の行使(形成権) 口頭弁論期日に行う場合は顕著な事実なので立証不要

成年後見を理由とする取り消し

法律行為の要件事実
 売買型契約
 貸借型契約

公序良俗
 狭義の一般条項
  公益目的のため、主張は不要か?
  公益にも強弱があるので、弁論主義を排除すべきではなく具体的事実と公序良俗違反を主張すべき

心裡留保

 相手方の悪意又は過失
  過失は評価根拠事実が主要事実

通謀虚偽表示

 善意無過失については主張立証責任は第三者(最判昭和35.2.2、最判昭和41.12.22)
  これは法律効果の利益を受けるという点と但し書きであるという点からきている
  旧判例は逆で表意者による主張責任とされていた

錯誤

詐欺

債権総論と要件事実

金銭債務の不履行

 債務を履行したことについては、債務者が主張立証責任を負う
 ∵一定の給付義務がある者が不履行について有利となる主張立証責任の分配は不当

契約法と要件事実

貸金返還請求

 訴訟物
  ①貸金返還請求権(元本)
  ②利息契約に基づく利息請求権(利息)
  ③履行遅滞に基づく損害賠償請求権(遅延損害金)
  訴訟物が別なので、それぞれ別個に記載する

 貸金返還請求
  ①金銭返還の合意
  ②金銭の交付
  ③弁済期の合意
  ④弁済期の到来
 

 ※弁済期の定めなし→催告+相当期間の経過
  (貸主の主張立証を要する(我妻・通説)。この場合の弁済期は催告時とされる。)

 利息請求
  ①元本債権の存在
  ②利息の合意

 遅延損害金請求
  ①元本債権の発生原因事実
  ②弁済期の徒過
  ③損害の発生とその数額
   ※法定利率の場合、利率については摘示不要

賃貸借終了に基づく明渡請求

 ①賃貸借契約終了に基づく明渡請求権(原状回復の一種)
 ②所有権に基づく返還請求権(妨害排除請求?)

感想

一般の方にとっては、まったく難解な内容ですが、要件事実論の基礎としては最低限の内容が盛り込まれており、わかりやすいです。ページ数としては、加藤新太郎氏の要件事実本よりも少なく、コンパクトな印象ですが、一通りの基礎知識をつけるには十分な内容です。一部誤植あり。

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