原爆に搭載されていた八木アンテナ

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図解・わかる電気と電子―具体例から原理を語る (ブルーバックス)

eとiを結ぶのが虚数

 コンデンサと抵抗器の回路では電流は指数関数によって減衰する。一方、コンデンサとコイルの回路では、電流は正弦波になって、周波数は回路パラメータ(CとR)とπで決まる。
 eは時間とともに消える現象に関係するのに対して、πは永遠に繰り返される現象に関係する。eとπを結びつけるのは虚数単位jである。

 テーラー展開によって下記が知られている。
 exp(x)=1 + x + x^2/2 + x^3/6 + x^4/24 + x^5/120 + …. + x^n/n!
sin(x)=x - x^3/6 + x^5/120 + … + (-1)^n*x^(2n+1)/(2n+1)!
cos(x)=1 - x^2/2 + x^4/24 - x^6/720 …. (-1)^n*x^2n/2n!
ここに、xの代わりにjxを代入すると下記の式が得られる。
 exp(jx)=1 + jx +-x^2/2 -jx^3/6 +x^4/24 - jx^5/120 + x^6/720 + …. +(jx)^n*x^n/n!
これをよく見ると下記の式が成り立つ。
 exp(jx) = cos(x) + sin(x)
これにπを代入すると
 exp(jπ) = -1
となる。「オイラーの関係」と呼ばれる。

原爆に搭載されていた八木アンテナ

 日本では東北帝大で八木秀次が指向性アンテナ(1方向に伝播する電波の送受信に便利なアンテナ)を発明し、今日のテレビ受信アンテナとして世界中で利用されているものであった。しかし、発明された当時の日本では、その将来性は認識されなかった。八木は米英両国にも特許申請し、英国では、その権利をマルコーニ社が入手した。英国では、八木の指向性アンテナに注目し、それを組み合わせたレーダーの開発にアメリカと協力して成功した。
 1942年、日本軍は英国支配下のシンガポールを占領した。捕虜の1人にニューマンというレーダー係の兵士がいて、彼のノートのいたるところにYAGI ARRAYという文字があった。日本軍は、YAGIという単語が辞書にはないのでニューマンを連れてきて尋ねると、彼は目をパチクリさせて「それはあなたの国の人の名前でしょ」といった。これによって、八木アンテナの重要性が日本で認識され始めたという。
 自分の発明したアンテナが対戦相手の英軍で使われていることを八木が知らされたのは、東京工業大学学長就任の直後であった。広島と長崎に落とされた原爆にも八木アンテナが搭載されていたことを彼は知っていただろうか。

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