PHP研究所による「官僚の責任」の出版社まとめ

3095viewsPHP研究所PHP研究所

このエントリーをはてなブックマークに追加
官僚の責任 (PHP新書)

たまたま通りかかると、深夜にもかかわらず煌々と灯りがともる霞が関界隈。「なんだかんだいっても、やっぱり官僚はたいへんだなぁ」——そう感じたことはないだろうか。

「日本最高の頭脳集団」がこれほどまでに働いているにもかかわらず、日本の未来には、希望の灯火すら見出せない。いっこうに上向かない日本経済、権力闘争に明け暮れる永田町、それに加えての東日本大震災、そして福島原発の大事故。

私は当事者である現役官僚にソボクな疑問を投げかけてみることにした。そもそも、この頭脳集団はふだん何を考え、何をやっているのか。どうして日本はよくならないのか。打つ手はないのか……と。

「霞が関は人材の墓場」——それが彼の答えだった。

古賀茂明。5月に刊行された『日本中枢の崩壊』(講談社 刊)で一躍「時の人」になった改革派官僚。といっても、決してエラぶったところがない。朴訥に、真摯に、憂国の想いを語るサムライのような人。そして身内である官僚組織の悪弊を論理的に見通せる人。

「優秀なはずの官僚が、なぜ堕落するのか」——本書の制作は、だれもが頭に浮かぶ本質的な疑問を一歩ずつ解き明かしていく過程だったと言っていい。

じつは本稿を書いている段階(7月初旬)で、古賀氏が近い将来どのような立場で活躍されているか、編集担当者である私も知らない。新聞でも報道されたのでご承知かと思うが、6月末、彼は松永和夫経産省事務次官から一方的に「退職勧奨」を申し渡された。要するに「辞めてくれ」と肩をたたかれたのである。

それほどまでに切迫した状況のなかで校了を迎えようとしていた本書に、古賀氏は「あとがきを書き終えたあとで」と題した小文を最後の最後に寄せてくれた。

「役所にいようがいまいが、日本人であることに変わりはない。いままでどおり、次代を担う若者たちが活躍できる舞台を整えるべく、どこにいても力を尽くしていきたいと思う」

自身の決意表明であると同時に、志を残した有望な若手官僚たちへのメッセージに聞こえなくもない。

だらしない政治家たちの姿はテレビや新聞で嫌と言うほど見聞きするが、血税を払う代わりに、私たちがこの国の制度設計を託した官僚たちの正体を、その責任を、本書でしっかりと焼きつけてほしい。

このままでは、この国は終わる——著者の危機感を多くの読者に共有してもらいたい。

PHP研究所新書出版部 林知輝

※注:古賀茂明氏はご存知のとおり、経済産業省を退職されています。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く