【クリトン】ソクラテス曰く「善く生きることと美しく生きることと正しく生きることは同じである」

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ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)

<クリトン>

 ソクラテスの幼少期からの親友であるクリトンは翌日にソクラテスが処刑されること察し、早朝に獄中にいるソクラテスの元へやってきた。クリトンは心地よく寝ているソクラテスの目が覚めるのを待ち、ソクラテスに今から逃げ出すことを話し出した。
 クリトンは、遁走を幇助した罰をクリトンたちが受けることを気にすることはないこと、自分自身の身を救えるのにわが身の犠牲にしていること、更にソクラテスの息子たちを裏切ることになることを説く。しかし、ソクラテスは「一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることであること」「善く生きることと美しく生きることと正しく生きることは同じである」と反論し、クリトンはそれに納得する。更に「人は誰かに禍害を加えてはならない」「不正を行うことは人に禍害を加えること」と続き、「国家の同意を得ずに、逃げ出すことは、最も加えてはならないものに、禍害を加えることになるのか、それともならないのか」という結論に対し、クリトンは答えを出すことが出来ない。ここで、ソクラテスは国法はこう言うだろうと続ける。「裁判で追放の刑を提議することもできた。しかし、おまえは、死ななければならにことになってももがきはしないと高言を吐き、追放よりも死を選んだ。今これに反して、国法を無視してこれを滅ぼそうとしている。われわれ自身に対してした契約と合意を蹂躙しようとしてはいないか。はたしてこれは正当であるか」。ソクラテスはこれにどう答えるべきかクリトンに問いかける。クリトンは、同意にやむを得ない、と答える。
 ソクラテスは、そのように国法が耳の中で聴こえることを伝え、クリトンが抗弁しても、それは空語に帰するだろうと断言する。クリトンは「もう何も言うことはない」と説得に失敗する。

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