過去最悪の日韓関係、その原因を韓国の知識人が赤裸々に語る!

2328views吉田伸二吉田伸二

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韓国インテリジェンスの憂鬱

日本と韓国は2015年6月、国交を結んでから50周年を迎える。
しかし現在、日本には祝福ムードはまったくないし、
それどころか日韓関係は過去最悪とも言われている。

ちょっと前まで、韓流ブームだったのに、今は嫌韓ブーム。
最近は、慰安婦、竹島問題だけでなく、世界遺産についてもあれこれ対立している。
なぜ、両国はそんなに仲が悪くなってしまったのか。

そんな疑問を韓国の著名人、知識人に直接聞いて、その答えをまとめたのが本書。
ヒュンダイ自動車の元CEO、日韓首脳会談の通訳を務めた元外交官、
韓国の有名校・高麗大学教授など、6人のインテリジェンスが登場する。

韓国識者たちは、経済や外交、歴史、社会学と、それぞれ専攻が違うので、
日本や韓国、日韓関係の見方についてもいろんな意見がある。
また、韓国国内の問題点についても、かなり厳しい指摘が見られる。

私が特におもしろかったのは、大韓弁護士協会の理事、カン・シノプ弁護士の話。
日本でも話題になった『産経新聞』のソウル支局長についての裁判について、
韓国の「表現・言論の自由」という観点から見解を語っている。

「加藤前支局長の裁判によって言論の自由が侵害される余地があることは否定できません。この裁判一つを挙げて、韓国の言論の自由が侵害されていると判断するのはあまりに早計ですが、実際にメディアの人間が起訴されて、裁判を受けている現状がある以上、言論の萎縮は起こりうることだと考えられます。私が最も危惧しているのは、『自分たちも気を付けなければならない』という、現場の勝手な忖度が生じることです」(本書59ページから抜粋)

また、カン弁護士は、日韓関係が冷え込む原因をアメリカと中国にあると見る。

「これまで韓日関係が緊張すると、アメリカが仲介役として韓日を調節する役割を担ってきました。(中略)しかし、そのアメリカは最近、韓日の仲介役を務めるそぶりをそれほど見せていません。私には、台頭してきた中国へのけん制として、日本の軍事化を容認しているように映ります。日本の軍事化はアメリカにとっては都合のいいことかもしれませんが、過去に植民地支配を受けた韓国としては、それを是と見ることはできず、韓日関係が冷え込む一因になっていると思います」(本書56ページから抜粋)

日韓関係の現在にとどまらず、両国の歴史や社会問題についての意見も多種多様で、
韓国で頭がいいと言われている人たちが“何を考えているのか”を知る上で参考になる一冊だと思う。

日本と韓国が国交正常化50周年を迎える今、
一読しておいて損はない一冊だと思う。

感想

内容は嫌韓にも親韓にも偏っていない印象。
日本と韓国を行ったり来たりする仕事をしているので、
個人的には「だからか!」と頷けるとこも少なくなかった。
韓国の知識人たちは、かなりグローバルな視点を持っていると感じた。

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