”成果をあげるための習慣的な5つの能力を身につけたい人”のための本

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ドラッカー名著集1 経営者の条件

1.背景・要約

オーストリア生まれの経営学者で、マネジメントの父といわれるピーター・ドラッカーが1966年、56歳の時に上梓した「The Effective Executive」の日本語訳です。

経営者のためだけに書かれた本ではなく、自ら意思決定を行う者は、トップであれ新人であれ皆“エグゼクティブ”であるとし、エグゼクティブの役割は「成果をあげる」ことで、それは5つの習慣的な能力によって身につけることができる、というのが本書の内容です。

以下が本書で語られている成果をあげるために身につけておくべき5つの習慣的な能力です。
1)自らが何に時間を使っているか把握し、時間を体系的に管理する。
2)どのような仕事をしているかではなく、どのような貢献をしているかを考える。
3)強みを生かし、弱みを意味のないものにする。
4)劣後順位を決め、過去を計画的に廃棄し、最も重要なことに集中する。
5)意思決定を行う。

2.本書の3つのポイント

ポイント(1) 成果をあげる人のタイプというものは存在しない。

ドラッカーは、成果をあげる人間に特有の性格やタイプといったものは存在しないと述べており、それ故に「誰だって成果をあげることができる」と考えています。

“外交的な人もいれば、超然とした内向的な人、なかには病的なほどに恥ずかしがり屋の人もいた。過激な人もいたし、痛ましいほど従順な人もいた。太った人も痩せた人もいた。心配性の人も、気楽な人もいた。酒飲みも、酒嫌いもいた。魅力的で温かい人も、魚のように冷たい人もいた。通俗的なリーダー像どおりの、目立つ人がいた。逆にその存在も気づかれないような、何の特色もない人もいた。学究肌の人もいれば、ほとんど文字を読めないような人もいた。幅広い関心を持つ人もいたし、逆に、狭い領域以外のことに関心をもたない人もいた。利己的ではないにしても、かなり自己中心的な人もいた。心の広い人もいた。仕事に生きている人もいれば、地域や教会の仕事、漢詩の研究、あるいは現代音楽など、仕事でないことに関心をもつ人もいた。私が出会った成果をあげる人たちの中には、論理や分析力を使う人もいれば、知覚や直感に頼る人もいた。簡単に意思決定をする人もいれば、何かをするたびに悩む人もいた。]”「第1章 成果をあげる能力は習得できる」41─42頁より

経営コンサルタントの仕事を通じて多くの人と接してきたドラッカーからすれば、性格面からの「仕事のできる人のタイプ」というのは存在しないということです。

ポイント(2) いかに弱みを無視できるか。

前述の5つの習慣的な能力の一つとして「強みを生かし、弱みを意味のないものにする」とありましたが、ドラッカーは「大きな強みをもつ者はほとんど常に大きな弱みをもつ」と述べています。

「数字に強いのはわかるけど、コミュニケーション能力が低い」というような人こそ、相応しい場所を与えてあげることで組織の中で輝きを放つのではないでしょうか。

ポイント(3) 捨てることの大切さ。

前述の5つの習慣的な能力の一つとして「劣後順位を決め、過去を計画的に廃棄し、最も重要なことに集中する」とありましたが、古い成功体験を捨て去ることはなかなか簡単にできるものではありません。

「古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である」と本書では論じられていますが、肝になるのは“計画的”という点です。

感情論に流されないためにも、否が応でも捨てざるを得ない状況を作ることが大切だということです。

感想

オススメ度 : ★★★★★★

ドラッカーの著書の中では比較的読みやすい部類に入り、経営者であれ、中間管理職であれ、新入社員であれ、組織で働く全ての人に読んでいただきたい1冊です。実践的なアドバイスに加えて勇気づけられる言葉が随所に散りばめられています。 

ドラッカーというと『マネジメント ─課題、責任、実践』が有名ですが、あちらは量も多く中々骨太なので(ダイヤモンド社の日本語訳の上・中・下巻で1,000頁以上!)、「ドラッカーに興味はあるが、何から読んでいいかわからない」という方には本書をオススメします。

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