映画で哲学が学べる本「哲学はランチのあとで」

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哲学はランチのあとで -映画で学ぶやさしい哲学-

なぜ映画なのか

 哲学をわかりやすく説明した本は多くある。私が知ってる限りで一番の解説本は『ソフィーの世界』(NHK出版)だ。これはある一人の少女を中心に、物語形式で話が進んでいく。物語上で、哲学を説明しようとしている本は、考えてみれば結構見たことがある。
 『哲学はランチのあとで-映画で学ぶやさしい哲学』は、映画を使って哲学とは何か?の問いに答えている。これが想像以上にわかりやすい。中で取り上げている映画は、どれも有名作品ばかりだ。『ハリポタ』『NINE』『オーシャンズ』『インセプション』等。さらに、私達は映像を思い浮かべることが出来るから、想像し易い。もし出来なければDVDを借りてくればいい話だ。
 哲学を語る上で、映画を題材とした本は見たことが無い。「気軽に哲学に触れたい」という人だったら、物語形式の哲学解説書よりも入りやすいかもしれない。

 ちなみに、著者は映画を題材にした理由について「私達の想像力は無限です。しかし、その想像力を広げる「鍵」にようなものは必要ではないでしょうか。ジッと家に引きこもっていても、つまらない妄想が広がるばかり。映画館に出向いたり、DVDを鑑賞して想像力の翼を広げることはよりよい方法のひとつです」と述べている。

ここでは一番記憶に残った1フレーズを載せる。

--高い種に属するものほど、完成することはまれである--

挫折の意味を、映画『ロスト・イン・マ・ランチャ』を通して説明している。2001年公開の映画だが、制作当時は、まるで呪いがかかったように映画のセットが水で流されたり、主演男優が重病になったり、ちっとも撮影が進まなかったことで有名だ。。その悲劇をそのままドキュメンタリー映画にしたのがこの作品である。私もこの映画を見たことがあるが、確かに「悲劇、挫折」の度合いが他の映画と比べても群を抜いている。それはそうだ。実際の挫折をそのまま映画にしたのだから、フィクションに比べて勝っていないはずがない。

これをどう哲学に結びつけているか。著者は哲学者ヒルティの言葉を出している。

  • -苦しみ悩む者は、自分で苦しんだことのない人たちに、決して信頼しない--
ヒルティ『眠られぬ夜のために』(草間平作・大和邦太=訳

挫折こそが、他社の気持ちを理解できる人間へと成長させてくれるのだ。ヒルティの言っていることの真意まではわからないが、確かに、努力もせずなにもしていないような人に、信頼をむけることは自分としてもないだろう。そして、相手の気持ちを汲むことができる人間になる可能性がここにはある。

可能性について、哲学者ニーチェの言葉

  • -高い種に属するものほど、完成することはまれである--
ニーチェ『ツァラトゥストラ』(手塚富雄=訳)

挫折は「大いなる可能性」を秘めていると、著者は言う。

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