不当に高い尊敬語・不当に低い謙遜語は自他の人格的尊厳を見失うことがある

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敬語を使いこなす (講談社現代新書)

間違いやすい敬語例

「(上役に)ぼくがいたしておきますからご安心ください。」
→「ぼく」は原則として、同等以下の人に対して男子が使うもの。他の部分が丁寧なので、「わたしが」「わたくしが」と直す。

「きょうはおミサにあずからせていただきとう存じます」
→外来語には「お」はあまりつかないが、それでもつくときは「お」となる(例えば、「おビール」)。しかし、例外は「ミサ」で、「御」をつける。

「お名前は何と申されますか?」
→「申す」はへりくだりの表現。敬語の「れる」をつけても誤り。「おっしゃいますか」が正しい。

日本語のなかの敬語

敬語で主語が分かる。

ドイツ語の『インメン湖』(テオドール・シュトルム著)は主語の省略があるのは2.7%。川端康成の『雪国』では26.6%が主語なし。
→日本語は主語が無くても、敬語があるから主語が分かるという言語。こういうことは『源氏物語』に代表されるように日本語では昔からよくあった。

ビジネス現場の敬語

『これからの敬語』

『これからの敬語』(昭和27年。文化庁)では「奉仕の精神を取り違えて、不当に高い尊敬語や、不当に低い謙遜語を使うことが特に商業方面などに多かった。そういうことによって、しらずしらず自他の人格的尊厳を見失うことがあるのは、はなはだいましむべきことである。この点において国民一般の自覚が望ましい」と言っているが、この基本は今も言えることである。

名刺交換

名刺を交換して、自分の相手に対してのレベルを決めてしまうと安心するせいか、日本人は人の名前を覚えない。欧米語では話の途中に相手の名前を入れることが礼儀とされている。商談をスムーズに進め、親しさをあらわすには、会話の中に名前を入れる方が良いのではないか。

知っておきたい常識

返信用の封筒や葉書の表書きに「○○行」「○○宛」となっている場合は、「行」「宛」を消し、受取人によって「御中」「様」に改める。出欠の返事を書くときは、「御出席」「御欠席」「御住所」「御芳名」の「御」や「御芳」は消す。

電話のエチケット違反

「○○さまですか?ただ今社長と代わりますのでしばらくお待ちください」と言った後に保留をする。
→用事はかけた側の用事なので、その用事に待たされるいわれは受ける側にはない。仮にいくら社長であろうと、上のように他社の社員を待たせるのはいけない。

メモのすすめ(電話の伝言時)

本人に代わって受けた時は、「代理の○○です」などと名乗るべきである。名乗らない人に伝言を頼んだ場合は「失礼ですがお名前を伺わせていただけますか」と聞いても問題はない。伝える責任をその人にも感じてもらう意図もある。
個人の家では「ちょっとメモを用意しますからお待ちください」などと言うことがあるが、それは準備の足りなさを宣伝しているようなもので、会社などであれば伝言のための用紙を作るのが望ましい。

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