読みたくなっちゃう!又吉さんのそばにある本の紹介

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第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

僕の役割は本の解説や批評ではありません。
本を読んだから思い出せたこと。
本を読んだから思いついたこと。本を読んだから救われたこと。
もう何年も本に助けられてばかりの僕ですが、本書で紹介させていただいた本に
皆様が興味を持っていただけたら幸いです。

炎上する君

自由奔放な発想力で紡がれた短編集。
そこに描かれた幻想的な世界こそ真実と思えるのは
西さんが自身のむき出しの感性に対して誠実で率直だからだろうか。
実際に声を出して笑うくらい面白い部分があり
笑と物語が乖離しないのは先天的に面白い人だけが持つ特別な才能だと思う。うらやましい。

何もかも憂鬱な夜に

この本は僕の過去にまで遡り思春期の頃の僕と今の僕を救ってくれた。
僕に必要なことは全て書いてくれていた。こんなにも明確に生きる理由を与えてくれる小説はなかった。

月の砂漠をさばさばと

主人公のさきちゃん9歳と母親との温かい物語なのだが、
そのぬくもりの周辺には冷たい現実が確かに存在する。
この本は今まで安全が夢の国で子供たちが繰り広げる児童文学等で泣いたことなどなかった僕のような人間にも強く伝わった。

告白 町田康

本を開いて五行目で笑い、なおかつここまで人間の深淵に迫った小説は類を見ない。
何度も読み返したい一冊だ。

山月記

「人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを成すには余りに短い。」これは山月記の主人公李徴の言葉だ。中島敦はこの李徴に自分を重ねていたのかもしれない。この山月記を発表した年に33歳の若さで亡くなった。

コインロッカー・ベイビーズ

いつかはるか遠い未来の住人が、過去の世界も残滓として土の中から1冊の本を発見するならこの本がいいと思う。充分新世界の神話になり得るだろう。

逃亡くそたわけ

一見逃げる物語なのだが、実は逃げながら人生に向き合い活動する人生讃歌でもあるのだ。だから読後に元気が出た。

夜は短し歩けよ乙女

自分の想像力を超えるものを人は恐れるけれど、大概の場合、それを作り上げた人の純粋な心に怯えているんじゃないかなと思う。

異邦人 カミュ

僕は予定調和なことよりも不条理な事にリアリティーと人間味を感じてしまうことが往々にしてある。雰囲気や直感で行動を促されることが多々あるが、そういうのが他人にとって何の説明にもならず脅威になる場合もあると経験上わかっているから、後から尤もらしい理屈をつけて嘘を吐いてしまうのだ。

深い河

「違う国の神様と神様が街であったら喧嘩するか」と言う幼き僕の子供的質問に困惑していた2人の祖母。その問いに深い河が答えをくれた。僕にとってはこの本もまた奇跡だ。

友達 安部公房

ひとりで暮らそうとこの家に見知らぬ大家族が押し寄せ友達面で強引住みだすという怖い話だ。サプライズや募金や友達という善意の臭気を含んだ語句は強制的な執行力があってうまく付き合わないと飲み込まれてしまう。

宇田川心中

この小説は既成の恋愛小説にリアリティーを感じることができず苦手に思っている人にオススメしたい。なぜなら恋愛小説でありながら、恋だの愛だのを完全に否定するキャラクターが出てくるという点において、世間一般の恋愛上手とは異なるからだ。あらゆる角度から恋愛の脆さを指摘した上で真実の愛を立証しようとする作者自身も恋愛小説を苦手に思う読者と同じ目線を持ち、この作品を書いたのではないだろうか。

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