人生に生かす歴史の学び方 日本人は歴史に無頓着

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過去のない国―日本人はなぜ歴史に無頓着なのか

 歴史を科学の目線で読む。歴史を人生に使うにはどうしたらよいか。 実生活に応用するにはどうしたらよいか。人生の誤りをできるだけ少なくし、幸福な人生を歩むには、どう歴史と向き合えばよいか。政治家が名政治家になるには歴史をいかに利用したらよいか。
 英国のケンブリッジ大学の歴史学教授ら英国、タイ、日本の著名な歴史学者がこんな疑問に解答した。
歴史は年号や人物を覚える学問ではない。歴史は、人々の心理や行動を学び、過誤や成功を学び、歴史の流れを観察する基本的な素材を教えてくれる。過去を学び現在と未来に生かす。これが歴史を学ぶ要諦である。
  テレビのクイズ番組に「これこれをした人物はだれですか」「太平洋戦争開戦は何年ですか」という形式で歴史が登場する。クイズに参加した大人は一秒でも先に答えようと必死になっている。
 高校生や大学生は歴史を年号や人物を暗記する教科だと信じ込んでいる。戦前も戦後も歴史は暗記科目だと思っている人々が大多数だ。高校生は大学受験のために学ぶ。大学に入学すれば、「さようなら」と歴史に別れを告げる。
 歴史を人物と出来事を覚える(暗記する)ことではないと考える人々も、歴史を学ぶことにより教養が深められると思っている。日本人にとり歴史は教養を深めるものであっても実学ではない。教養を深める歴史を否定しないが、日本人ほど歴史に無頓着な国民はいない。
 広島・長崎の原爆投下から70年。被爆者の方々のほとんどが亡くなり、原爆の悲惨さをめぐる風化が激しい。両市は「語り部」を探し出し、戦争を知らない世代に「悲惨な戦争」を伝えるのに必死だ。それは多くの日本人が歴史(過去)を自らの体験として人生を歩まないからにほかならない。悲惨な体験をした「語り部」の方々がいずれ鬼籍に入る。そうしたら、双六の振り出しに戻る。「時」をこれほど軽視している国民はいない。過去を忘れ歴史を軽視する日本人には過去はない。日本は過去のない国だ。
 中韓の国民は歴史を忘れないが、自らの価値観念や自らの窓から解釈する。「ディタッチメント」な姿勢で歴史と向き合わない。歴史を政治に利用して「ストーレートライン」でしか見ない中韓の人々にも過去はない。このため、21世紀を迎えて日本の歴史教科書をめぐる日中韓の政府や国民の対立は先鋭化している。
 日中韓の国民の歴史に向き合う姿勢は、経験を重視し「過去」を人生の杖として歩む英国人の国民性と大いに違うところだ。英国人は「ディタッチメント」な精神で歴史を振り返る。歴史を実学としてとらえる。
 第1章で日英米の歴史授業の違いを紹介。第2章で、歴史は人間を観察する科学だとの視点にたち、歴史を理解するのに必要な素材を提供した。第3章で、歴史の特質を紹介し、この特質を理解しなかったために、人生を棒に振った人、その特質を理解していたために、人生を豊かに生きた人を紹介。日本人の歴史に無頓着な姿勢を説明した。 

 成城大学が昨年10月、「あなたが先生にすすめたい本」13冊を選んだ。その13冊のうち「歴史・国家関連 」部門で3冊を選出。故司馬遼太郎の「街道を行く」、藤原正彦氏の「国家の品格」とともに拙書を評価してくださった。同大学に心から感謝したい。

http://www.seijogakuen.ed.jp/news/press/cequ200000000pc5-att/20141027press.pdf

 第1章 日本人の歴史の捉え方 
 第2章 歴史を理解するために
 第3章人生を生き抜く術を歴史は教える

ホルス出版
 

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