なぜ日本人は必敗の太平洋戦争に突入したのか 国民性から分析

2006viewssislersisler

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歴史の視力―太平洋戦争前夜、日英米は世界をどう見たのか

「過去のない国」に続く「歴史の視力」。、「国民性」「日英米の国民性」「インパーソナル・フォーシズ」を解説。「日英米の国民性」「インパーソナル・フォーシズ」と「過去のない国」で紹介した歴史の特質 - 変化、継続、複雑さ - を分析ツールに使って、「太平洋戦争前夜」の日英米指導者がいかに世界を見ていたかを論じた。また、満州事変や日中戦争を太平洋戦争の連続した流れの中で捉え、日本の軍部指導者のものの見方を記した。それこそ日本人の中に脈々と流れている国民性だ。今日の人々にも受け継がれている。
 歴史を下敷きにした英米の指導者に対し、日本の軍部指導者は今を重視し、歴史の流れに一瞥もくれずに「日米の国力比1対20」を無視して、無謀で「必敗」の太平洋戦争に突入した。日本軍民320万人の尊い命が犠牲になり、1000万人以上のアジアの人びとが塗炭の苦しみにあえいだ。
 世間一般に言われている「自存自衛の戦争」「軍国主義者がしでかした戦争」というよりも「多分に観察眼を欠いた日本人の国民性から来ているのではないか」と分析した。観念におぼれ、現実主義的に観察する目もなく、「今日の理想や理念」が「明日にも実現する」と楽観的に考える日本人の国民性を記した。日本人には過去はなく、現在だけがあり、現在から未来が始まると分析した。「イングランド人は今日の真実のために昨日の真実を捨てることができる」が、日本人は「ぶれない政治家を愛する」。そこに失敗の原因が潜む。
 1970年代の安保にのめり込み毛沢東主席を愛した「団塊の世代」、俗世にまみれた、宗教心の一欠けらもないオウム真理教の教祖を信じ込み、現在、死刑台に連れていかれようとする死刑囚(入信前はごく普通の若者や学生)、そして侵略戦争を遂行した軍部指導者。彼らの中に脈々と通じている共通した日本人特有の「ものの見方」があるのではないのか。
 日英米の国民性の特性を内外の識者の話(取材を含む)を引用しながらまとめた。それぞれの文化や歴史背景に起因する三国国民の国民性とその違いや、日本の軍部指導者が戦後、当時を振り返り、忌憚ない気持ちを話したことを記した。彼らは率直に①それぞれの局面で、何を考え実行したか②どんな心理状態だったかーなどを語っている。
 英米の指導者の演説を英国紙「ロンドン・タイムズ」のアーカイブスから引っ張り出し分析した。そして軍部指導者が英米指導者の演説の真意をまったく理解していなかった悲劇を記した。日本の指導者は日米の国力比1対20を認識していながら、固定観念と宿命論に陥り、必敗の太平洋戦争に突入していった。それは日本の軍国主義者の考えというよりも、日本人の国民性の本質ではないのか。日本人の国民性に潜む心理を探った。

 第1章 国民性とはなにか 
 第2章 日英米の国民性
 第3章 インパーソナル・フォーシズ 
 第4章 ナショナリズムが「15年戦争」敗北の遠因 
 第5章 太平洋戦争前夜—日本の苦悩、なぜ真珠湾へ?
 ホルス出版

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