ちょっと不思議でなんだか懐かしい、それでいてちょっぴり泣けてくる、武田ワールド

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月光町ブルース

なんと表現したらよいのだろうか・・・

主人公「プロ」は心臓病の少女とひょんなことから出会い、少女の切なる頼みを聞いてあげるはめになる。
主人公はそもそも自由な人生を送る、ストリートミュージシャンで、関西弁の軽妙な語り口がなんともいえず、読者を引き込んでいく。
少女が主人公を頼ったのは、杓子定規な人生観やお行儀のよい人生、規律正しい毎日が、何も自分を救ってくれないことに気づいてしまったから。頼りがいがあるのか、ないのか、わからない、「プロ」が、自分を救い出してくれるかどうかはわからなくても、平穏で退屈な毎日に背を向けさせてくれることは確かに感じ取ったに違いない。

著者の世界観

著者、武田久生氏は、1978年秋田県生まれ、20代前半から東南アジア、南アジアを中心に十数カ国を放浪した経験の持ち主である。著者の世界観はそんな経験から培われているのだろう。

著者は本作のことを、こう表現する
「自分の思い出や言動や思想や妄想や贖罪意識などをごちゃ混ぜにしてフライパンの中に放り込み、10年以上に渡る様々な想いをスパイスとしてまぶして強火で炒めて蓋をして中火に切り替えて気まぐれに少し蒸してみたところ出来上がったような作品である。」

まさにそんな印象。言葉ではうまく言い表すことが難しいが、読んでみていただければわかると思う。
独特の世界観、日常を軽く飛び越えた爽快感がある。これは一読の価値があると思う。

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