イスラム国の台頭の経緯と問題が深刻な理由

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「イスラム国」の正体 なぜ、空爆が効かないのか Wedgeセレクション No.37 [kindle版]

アルカイダ3.0と変わるグローバル・ジハード

・スーリー
大規模な軍事力・空爆への対抗手段として、物理的に土着の勢力ではない全世界的な出自をもつテロを各国内で醸造し、イスラム諸国で統治の及ばない地域が出てくるため、そこに全世界の戦士を結集させ武装化と領域支配を行うことを構想

・ザルカウィ
アラブ諸国の政治的混乱により(2010~13年にアラブ諸国の政治的権威が失われるということを予測していた)政権を打倒し2020年までにイスラムの世界国家建設をする

・イラク戦争後

ザルカウィは2006年に死亡、その後の勢力も弱体化したが、アラブの春でシリアに政治的混乱
が起こると、そこにイスラムの聖戦士を名乗る武装勢力が結集し、反政府勢力に加担
最終的に土着の勢力やアルカイダとも袂をわかった

このようにローカルな宗教紛争を煽ることで台頭していった一方で、世界各地で自国内で単独でテロを起こすジハードや、世界的に戦闘員が紛争地域に流入するという動きがある

このアラブの春以降の勢力を、ザルカウィらイラク戦争後の世代アルカイダ2.0と比較してアルカイダ3.0という

イスラム国は空爆国が育てた

・アメリカの焦り
空爆は特定国家への肩入れではないと批判をかわすためと、国際的対処の必要性
後者はつまり、ヒトモノカネがイスラム国のために調達されていることである
EX)外国人戦闘員、アラブ諸国の個人や団体からの資金提供
特にシリアの内戦で反政府勢力への資金提供、リビアやチュニジアの民兵の転戦
→自国内での不安要素がなくなるために黙認された
欧米社会でのはじかれた層への戦闘員勧誘も、自国の社会問題が解決できず外国に放出されている

根本原因の対策なく攻撃をすることが、根本原因の除去が困難という皮肉な現実でもある

イラク情勢

米軍が治安部隊を育てた地域がイスラム国に制圧された
イスラム国が台頭したのは14年6月だが、それ以前にイラクでは政情不安が続いていた
イラク戦争に対して08年以降米国内での否定的な世論が大きくなり、無責任な戦争と批判していたオバマが当選後に米軍撤退をさせたことで、米国のイラクへの関心は急激に低下

米国は中東での同盟関係がぜい弱なまま対処にせまられている

感想

イスラム国の問題はひとつひとつのインパクトは9.11のようなものではないが、ある意味で9.11以上に厄介で深刻な問題をはらんでいる。日本人が標的とされるまで無関心であったが、自国内での社会問題あるいは格差などの世界レベルでの現代社会の歪みが、シリア・イラクという地域に集まっていているのであれば、そもそも日本も無関係ではないだろう。

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