鬱〈うつ〉に離婚に、休職が… ぼくはそれでも生きるべきなんだ

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鬱〈うつ〉に離婚に、休職が… ぼくはそれでも生きるべきなんだ

現代日本人の10人にひとりがうつ病を患っているという。
なってみないとわからない病気、ときにはさぼり病と揶揄される、それがうつ病。

著者は、社会人三年目にして、うつ病を発症する。私は、うつ病というのは、夢や希望を持たない、物事に対してやる気のない人がなるべくしてなるのだと思っていた。しかし、著者は、努力して第一志望の企業に入社し、意気揚々と社会人性をスタートした、希望に満ちあふれた青年だった。

著者がうつ病を発症したのは、休日出勤が続き疲労が蓄積していた頃のことだった。
ある日突然仕事ができなくなり(頭が回らなくなり)、「うつ状態」と診断され、自宅療養をするようになる。

ここから、著者のうつ病との壮絶な戦いが始まる。
こんなに簡単にうつになるのか、と驚いた。
著者は、うつの日常を、気持ちとともに、微に入り細にいり、語る。
夜眠れないこと。眠りたいのに眠れないことがこんなにも苦悶なのか。
動けないこと。食事をするのさえだるいこと。うつ病は心の病だから体には影響ないと考えていたが、そうではないのだ。心と体はつながっているのだろう。
歩くのも緩慢。人ごみに行くだけで疲れる。そんな自分がいやになる。
うつの人ってそうなのか。そんな風に考えているのか。経験しないと本当にわからない。

私の知り合いにもうつ病経験者がいる。仕事をするために会社に来ることはできないが、会社のレクリエーションには参加することができる。「サボりじゃないの?」と口さがない人は言う。
そのような人は本書を読んでみるといい。経験した人にしかわからないうつの苦悩が切々と語られている。そうだったんだ、そんな気持ちでいるんだ、そんなに辛いものなんだ、とひしひしと伝わってくる。

著者は、本書の最後で次のように言う。
「『あなたは今幸せですか?それとも不幸せですか?』 それはあなたの心が決めることです。ぼくは不幸せと思っていますが、それも正しいかどうかわかりません。正解なんてないのです。ぼくは中庸の気持ちを大切に、未来に進んでゆきます。偏ることなく、不幸でもあり、幸せでもある未来に。(中略)
不幸に負けてしまってもかまいません。後ろ向きの気持ちになってしまってもかまいません。未来を見据えて生き続けてください。生きているかぎり、次の未来は見えてきます。」

感想

著者はふたつのメッセージを本書に託している。
ひとつはうつ病患者への理解。うつを患う人が、日々どれほど苦しんでいるのか、どのような気持ちで毎日を過ごしているのか、これを読むとよくわかる。
もうひとつのより重要なメッセージは、生への希望と感謝。うつ病でなくても、誰でも落ち込むことはある。ときには死んでしまいたい気分になるほど苦しいこともある。でも、どれほど不幸だと思っても、それは幸福になるための準備期間。生き続けていれば、必ずチャンスが訪れる。頑張らなくていいから、とにかく生き続けること。自分なりの幸せを感じられるようになる。

苦しい毎日を送っている、すべての人にぜひ読んで欲しい一冊である。

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