電子マネーは「オカネ」革命か?

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電子マネー革命─キャッシュレス社会の現実と希望 (講談社現代新書)

<電子マネー&ポイントの現状>
2008年には1兆457億円と、前年度の6割強の流通量となり、今後も3000円までの少額決済市場は60兆円を見込まれる。
電子マネーはかようなまでに今日の社会に浸透している。
それと並んで、ほぼ常識となっているのが「ポイント制度」である。
ただし、こちらは互換性の乏しさが普及のネックとなっていた。
しかし、電子マネーに交換が可能になったことで、それは解消されている。
氾濫する電子マネー&ポイントを第五次オカネ革命と著者は呼んでいる。
この特徴は以下の二点。
・庶民の手軽な買い物決済ツール
・政府以外(民間)機関がおかねを発行している

<それらの問題点>
企業にとっては「顧客の囲い込み」という戦略上、ポイント発行&電子マネー屁の互換は効果的であり、今も群雄割拠の状態が続いている。
しかし、以下のような問題点もある。
・不正なハッキングを受ける
・その企業が倒産する
前者は対策がまだ難しいが、後者は倒産した場合でもポイント等が守られる「資金決済法」が施行され、利用者は保護される。

 だが、ポイントや電子マネーはあくまでも民間企業が発行するものでる。
 実際、利用者にとってはポイントの価値の、一方的な切り下げが行われることもある。
 消費者にとってはポイントは「企業への借し」だが、企業側にとっては「オマケ」にすぎず、これらの認識の相違が問題となる可能性もある。

<オカネの未来>
 著者は一つの未来像として、「電子マネー口座」をあげる。
 これは給与が振り込まれる銀行口座と別の独立した口座であり、各種ポイント、電子マネーが一括管理される口座である。
 クレジットカードや現金でチャージも可能であり、クレジットカードや、ネットバンク、デビットカードのいいとこ取りをしたシステムである。
 これが普及すれば、少額決済を筆頭に社会でやりとりされるオカネの量が爆発的に増え、オカネの巡り・・・景気やGDPの改善も見込まれる。
 同時にいままで価値はあったが価格のつかなかった些細な情報などに、価値が認められる可能性が出てくる。
 いままではBtoC(企業から顧客へ)が主流であったが、そうなるとCtoC
(顧客から顧客へ)のやりとりが頻繁になる。
 さらに発想を進めて、世界共通マネーの可能性も出てくる。
 ただし、これらはオカネの機能のうち、
・価値保存
・価値尺度
・決済手段
だけに特化し、
・利殖
・金融
には触れないことを前提としている。

感想

借金を敬遠する日本人の国民性があるために、クレジットカードはなかなか広がりを見せないが、一方で手軽な決済手段としての電子マネーや、買えばほぼかならずついてくるポイントは社会に浸透している。
個人的には「国」ではない「企業」が発行するポイントの「価値」を広く社会が受け入れだした、ということになるのだろうか。
ビットコインの破綻などもまだ耳に新しく、制度上や技術的な問題点はまだまだ残っているが、電子マネーの社会が加速すればものの「価値」のつきかたなども変わってくるのだろうか。

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book beetlebook beetle
とても興味深い本ですね。
ところでその「電子マネー口座」は誰が管理するのでしょうか?
管理者が存在する場合、そのサーバの維持のコストはどう負担するのでしょうか?
それらについて言及してあるか興味があります。
仮に管理者が存在するとしたらそのコストは馬鹿にならず、ブロックチェーン技術に基づく暗号通貨(仮想通貨)に対して劣勢になるのではないかと思います。

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