頭がくらくら・足から引きずり込まれるような、「読むだけで不安になる」ホラー

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南の子供が夜いくところ (角川ホラー文庫)

架空の南の島を舞台に、ゆるくつながる連作短編集。時間も空間も溶け合い、曖昧模糊とした不思議な空間に漂う奇妙な味わいのファンタジー。7つの話が収められています。

南の子供が夜いくところ

タカシは一家心中寸前のところを怪しい美女ユナにたすけられる。南の島で一人暮らし始めたタカシ。ある夜、悪夢を見たタカシをユナは「悪い夢を取る力」のあるおばさんのところへ連れていく。過去と現在、夢と現が混じり合う幻想的な作品。

紫焔樹の島

呪術師ユナが子供だった頃のおはなし。巫女になったいきさつ、流れ着いた異人との交流。侵略者との戦い。島の守り神様のお話。

十字路のピンクの廟

島にある廟を巡って、観光客がルポした形の作品。皆がてんでんばらばらに勝手なことを言う。呪いをかけられた少年の話は、嘘か真か。

雲の眠る海

時間も空間も超えてながれついたシシマデウさんのお話。攻め込まれた島から,
命からがら逃げ出した彼は、タカシ達に出会い、そして帰っていく。伝説では、彼のいた島は、彼によって滅ぼされることになるのだ。時間の流れがゆがみ、悠久の時を遡るような感覚に包まれる一編。

蛸漁師

息子が死んだのは事故かそれとも?調べに来たはずなのに、気がついたら息子の亡くなった場所で蛸を取りながら暮らしている。ここの蛸はうまいんだ、人間の死体を食べてるからな。いや、そうじゃ無い、俺じゃ無い、全てはヤニューの仕業さ。些細な悪意が、引き起こす大きな悲劇。

まどろみのティユルさん

気がつけば首からしたが地面にうまっている。いつからこうなのかまるでわからない。今までの人生の記憶が途切れ途切れにうかぶ。俺を見つけたタカシと話すと、記憶が戻ってくる。ユナ?知ってるよ、彼女も元気なら何よりだ。

夜の果樹園

タカシに会いに来たはずなのに。間違ったバスに乗り込んでついたところは悪夢の島だった。犬になった私、フルーツ頭の住人達。なぜこんなことに。「人間でなければよかった」その祈りが通じたのか。人間で無いものにも、人間でないものなりの現実が待って居るとは思いもしなかった。タカシはバス停で待って居るだろうな、ごめん、もどれそうもない。

感想

自分の立ち位置がわからなくなる、迷子になるホラーです。主役の一人、タカシくんがまともな子そうなのが救い。

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