一日で読み切らないで!ぐっと我慢して、中2日は置いてから後半読むのをお勧めします。

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ヒア・カムズ・ザ・サン

主人公とあらすじがほぼ同じ。けれど、読後感はまるで異なる中編2編を収めています。

「ヒア・カムズ・サン」あらすじ

主人公真也は、ものに込められた人の思いをくみ取る力を持つ30歳の編集者。思いが強ければ強いほど、ビンビン感じることができるので、いままで対人関係で地雷を踏むことなく生きてきた。他人は「気配りのできる人」という評価を与えるが、本人的には「ズルして生きてきた」というコンプレックスがぬぐえない。そんな彼の元へ、20年前に妻子を捨ててアメリカにわたり、大成功した!というふれこみの脚本家が帰ってくる。彼は同僚カオルの父だった。捨てられたと思い込む娘と、娘に愛されたい父親。そんな二人の絡まりあう心を真也は解きほぐせるのか?

父親と娘の切ない心の擦れ違いが、胸を打ちます。と見せかけての、どんでん返し。ミステリーでもあり、長い時間をかけたラブストーリーでもあり(ちょっと谷崎潤一郎っぽい)。仕事を通して成長する物語、として読むことも可能です。著者お得意の甘い物語ではないですが、さわやかな物語です。

「ヒア・カムズ・サン パラレル」あらすじ

主人公の特殊能力は前篇と同じ。が、こちらの真也はあまりうまく能力を使いこなしているとは言い難い。カオルは、ただの同僚ではなく婚約者。彼女に頼まれ、20年前に別れた彼女の父親を空港に迎えに来るが。。。

前篇とちがい、こちらはどの登場人物も「いじいじしてる」という言葉がぴったり。真也もカオルも、父親も。そのなかで、真也とカオルの母が二人とも気風の良いさわやかな人物造形で、じめっとした読後感を吹き飛ばしてくれます。

できれば、何日かおいてから読むことをお勧めします。
登場人物が同じなので、設定が違うとはいえ、相関図をひきずってしまうし、前編で種明かしされたことも頭にインプットされた状態で読むと???となります。
まったく別の物語として、名前や、職業なども変えた方が良かったのではないかと思います。
それぞれの物語は独立して読めば、それなりに面白いですよ。

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