新書というよりはエッセイ。

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叱られる力 聞く力 2 (文春新書)

叱られた思い出。叱る側の気持ち。

叱ることは難しい。
例えば、仕事を教える立場になった時、教える相手に対して言っても言っても改善しないから何度も注意する。
そういう時はこっちもあんまり気分がよくないし、相手だってだんだん不機嫌になってくるし、いっそ放っておいた方が楽なような気がしてしまいます。
どうしたらいいのか悩んでしまうことも多いけれど、この本を読んでどこの職場でもそうやって気を揉んでいるんだな、とわかったら、ちょっと楽になりました。

前作の『聞く力』と大きく違うのは、仕事ではなく、家族の思い出の割合が多いこと。
阿川さんが父親に怒られた出来事がいくつか書かれています。
家族が多い場合やこういう怖いお父さんがいると、どうしたって顔色を窺いながら生活しなくてはならなくなる。
子どものころに自然とそういうことを体験していると気が利くようになるのかな、と思いました。

印象的だったのは、電話に関するエピソードがいくつかあったこと。
学校に入学したらすぐに携帯電話を持ってしまうような世代は、電話をかける苦労話の辺りには全く共感できないでしょう。
本の中で、そういう苦労を知らないから、社会人になってまともに電話応対ができないんじゃないか、というところには納得してしまいました。
相手が誰だかわからない電話に出るのは、初対面の人に会う前に身だしなみを整えるのに似ている気がします。
家の電話が鳴ったとき、電話に出る母親の声が妙によそいきの声に変わる。
男の人はそんなに違いがないと思うけれど、女の人のあのよそよそしさには少し驚いた記憶があります。
ディスプレイに誰からの着信かが表示されるとき、その緊張感は全くなくて、声が変わってしまうことなんてないんでしょう。
それはいいのか、悪いのか。
時代の変化を感じます。

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