会社法が変わることで、企業は何の対応に追われるのか?

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会社法改正法案の解説と企業の実務対応

※実際の本の中身はもっと詳細なものですので、省略はご了承下さい。

改正点の概要

【1】ガバナンスの改正点

(1)上場会社は社外取締役設置が原則
  ・上場規程の変更 H26.2
   これにあわせ、社外取締役を置かない場合は、定時総会での理由の説明義務が生じる

(2)社外取締役、社外監査役の範囲
  ・過去当該会社及び子会社の役員・使用人でない者
   →「過去10年間」に改正(10年以内に取締役、監査役であった場合は、そのときから10年間)
  ・親会社、兄弟会社の現に業務執行をしていない者
  ・責任限定契約 社外のみでなく、業務執行しない取締役、監査役も可に

(3)監査等委員会設置会社
取締役で構成される監査等委員会を置くことで、一定の権限を代表取締役に委任できる
これに伴い、旧委員会設置会社は指名委員会等設置会社と名称が変わる

(4)会計監査人の選解任、不再任決定権限の監査役会への権限委譲
旧委員会設置会社の監査委員会と同じになる

(5)多重代表訴訟制度の創設
100%子会社等の一定の要件を満たす場合に、親会社の株主が直接子会社の取締役等の責任追及のための訴えを提起することができるようになった

(6)内部統制システムの改正
会社法において、子会社等の内部統制に関する制度の明文化
監査役の監査の実効性の確保

【2】M&Aの改正点

(1)第三者割当
(2)子会社株式の譲渡規制
(3)キャッシュ・アウト法制
 ①支配株主による株式等売渡請求制度(新設)
 ②株式併合
 ③全部取得条項付種類株式の取得方法
②、③では事前事後開示や、差止請求制度を新設し、①と同様の手続にする

(4)組織再編に対する差止請求
現行 略式組織再編のみについて差止請求を認める
改正 簡易組織再編以外について差止請求を認める

(5)株式買取請求制度の改正
簡易組織再編の場合の買取請求を制限する
代わりに、端数が生じる場合の株式併合においては、買取請求を認める

買取請求している株主の振替による当該株式の処分の禁止

組織再編の場合の株式買取の効力発生日を、組織再編の効力発生日で統一

買取代金供託制度

(6)人的分割の場合の準備金計上
4分の1、10分の1規制があったが、この適用が除外される

(7)会社分割の債権者保護の強化
詐害分割の場合、分割会社に残される債権者は、悪意の承継会社にも履行請求できる
知れていない債権者等の履行請求の拡大

【3】その他

(1)ライツ・オファリングの改正
効力発生日後遅滞なく割当通知し、行使期間の末日が割当通知の日から2週間以内に経過する場合は、割当通知から2週間経過後まで延長されたものとみなす

(2)仮装払い込みによる募集株式の発行等
仮装払込の場合は、払込期間を経過しても仮装払込をした引受人は失権しない(履行請求権は失われない)
また、加担した取締役は無過失でない限り、同様に支払義務を負う

(3)譲渡制限株式・新株予約権の総数引受契約
譲渡制限付株式・新株予約権の場合、総数引受契約について、事前に株主総会特別決議又は役会設置会社の場合は役会決議により承認を受ける必要がある

(4)発行可能株式総数の規律
株式併合時の決議事項に、4倍規制を超えない数にすることが加わり、この決議により自動的に発行可能株式総数の授権枠が拡大されたものとみなされる
また、非公開→公開への変更時に、4倍を超えることができない

(5)会計限定の旨の登記

(6)株主名簿閲覧拒否事由の縮減
(7)特別口座の移管

感想

久しぶりの大幅改正について、本書では簡潔かつ正確な内容で整理されており、詳細かつわかりやすいものである。また、企業の実務面から、改正前に何をしなければならないのか、という点も説明されており、有益である。

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