トヨザキ社長とオトコたち

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まるでダメ男じゃん!:「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選 (単行本)

さて、今回も炸裂している社長節(「トヨザキ社長」とは著者の通称である)。これまでも『文学賞メッタ斬り!』シリーズや『ガタスタ屋の矜持』シリーズなどで辛口といわれる幾多の書評を展開してきた著者だが、本書でもその語り口は健在である。扱う作品はドストエフスキーから西村賢太まで古今東西と幅広く、またその切り口(「斬り」口というべきか)はさまざまである。例えば、フローベールの『ボヴァリー夫人』においては主人公エンマの夫シャルルの凡庸さを、谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人のおんな』においては何ものをも守ることができない情けなさを、といった具合である。作品の表題にもある通り、これらの「名作」に登場する登場人物たちだからこそ、その愚かさに気づかずじまいなことも多いが、本書を読むことで多角的な着眼点に膝を叩くこともあるだろう。そして、人間の業や愚かさ、情けなさを包み隠さず描いているからこそこれらは現在においても名作たりうるのだと納得させられる。読み終えた後は、これまでより少し文学が身近に感じられるはずだ。

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