美術の良し悪しのために、まず知っておきたいこと。

20854viewsvioletReadervioletReader

このエントリーをはてなブックマークに追加
西洋美術史入門・実践編 (ちくまプリマー新書)

美術の良し悪しのために、まず知っておきたいこと。

美は「好き」「嫌い」に近いもの。

  • 人が本能的に「美しい」と感じるような「絶対的な美」の存在が確認されていない以上、筆者は「美しい」や「醜い」といった美的判断を、「良い」「悪い」ではなく、個人的な「好き」「嫌い」に近いものとして扱うべきだと考えています。批判めいて聞こえるので非常に危険な言い方になりますが、作品をそれでも「良い」「悪い」で判断する行為は「美術批評」の範疇にあり、「美術史」ではそのような行為はできるだけ避けて、客観的な指標のみに基づくのが本来あるべき姿だと考えます。

明確な基準を持とう。

  • 具体的には、「ルネサンス期にこの作品は高く評価されていた」という言い方は、それが事実ならば客観的で正当なものです。「しかしフレスコ画家としては拙く」といった書き方も、同時代の基準と比較してのものであれば問題ありません。しかし、「晩年の彼の作品は魅力を失っていく」といった書き方は、同時代あるいは後世の評価の蓄積からの判断であれば良いのですが、単にその文章の書き手による、明確な基準を持たない印象に基づく判断であれば、学問的に正しいとは言えないので注意が必要です。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く