経済活動と格付けの関係性。「経済は〈格付け〉で動く」

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経済は〈格付け〉で動く

はじめに

「国債の格付けが下がる」ということは、「国が借金を返済できなくなるかもしれない」ということだ。

本書は、

①経済と強く結び付いている「格付け」とはなんなのか?
②ギリシャ、日本、アメリカなどの国債と格付けの関わりは?
③経済危機と格付けは、どのようにつながっているのか?

といった疑問に焦点を当てて解説している。

以下、要点だけを抜粋。

債券格付けとは何なのか?

◆「株式」ではなく「債券」が格付けされる!
-格付けとは、元本と金利が支払われないデフォルトが起こる可能性を示している。
-株式には元本の返済義務はないので格付けの対象にはならない。

◆格付け記号は「借金が返ってこないリスク」を記号化
-最上位のAAA(トリプルエー)が「信用力が最も高い」
-BBB(トリプルビー)で「信用リスクが中程度」

◆格付け別デフォルト率
-デフォルトになったAAA格付けの債券は一つもない。
-BBBでは、10年後に5%のデフォルトが見込まれる。
-4~5年の期間でみると、BBで10%、Bで20%のデフォルト

◆世界にある格付け会社
-世界には112の格付け会社が存在する。
-日本で重要になるのは、以下の5つ
 ・S&P(アメリカ)
 ・ムーディーズ(アメリカ)
 ・フィッチ(アメリカ)
 ・JCR(日本)
 ・R&I(日本)

◆何のために格付けするのか?
-企業の大規模投資には10年以上の長期社債が必要
-格付けの本来の目的は、「企業の返済能力を予測し、投資家に伝え、情報の壁をなくすこと。」

「日本国債」の格付けはどうなっているのか?

◆S&Pが日本国債をAA-に格下げ
-デフォルトの可能性が「1000件中1件から5件」へ上昇!?
-「日本の返済能力は非常に高いが、その程度が相対的に下位に変更された」

◆日本は「借金を返すための借金」をしている -借換債
-10年国債は10年後に6分の1しか償還しない。
-残りの6分の5は借換債を発行し借金を借りかえている。

◆日本の格付け会社は日本国債をどう見ているか?
-日本の格付け会社は、一貫してAAAをつけている。
-それぞれの格付け会社がどんな投資家に向けて情報を発信しているかで格付けが異なる。

「アメリカ・EU」の国債格付けは?

◆アメリカ債格下げにはどんな背景があったか?
-あわや「借金できる額の上限」に達しようとした。

◆ギリシャ危機はこうして起こった。
-財政赤字隠しが発覚し、ギリシャ国債の格下げが相次いだ。
-EUの支援策の実現性が危ぶまれ、デフォルト水準まで格下げ

◆なぜすぐに支援に動けなかったのか?
-EUでは金融に関しては、加盟国の自己責任制が原則とされている。

ソブリン格付けの「これまで」と「これから」

◆自国の国債のデフォルトリスクを示すのが「ソブリン格付け」である。
-ソブリンとは「独立国の」などの意味をもつ。

◆ソブリン債はA(シングルエー)以上は10年間で一度もデフォルトになっていない。
-社債のA(シングルエー)は10年間で2%のデフォルト

◆ソブリン格付けはこうして決まる。
-ソブリン格付けは定量分析と定性分析に基づく
【4つの定量要因】
①マクロ経済・・・1人あたりGDP
②中央政府の財政・国債残高の対GDP
③国際収支・・・・経常収支(中学のときやったやつ)
④対外債務・・・・対外債務

【5つの定性要因】
①立場(途上国or先進国、EUに加盟)
②経済体制(市場経済の成熟度、経済政策の透明性)
③返済の意思(過去のデフォルト経験の有無)
④財政・金融政策の柔軟性
⑤国際資本移動のリスクと資本流出に伴う経済への影響

「格付け会社」は何をしているのか?

◆格付けは金利を決める。
-「社債の格付け」が「社債の金利」を決める。

◆格付けは投資家を動かす。
-格付けは中長期的に標準的なリスクを表したもの
-1つの社債の予想デフォルト率を表すものではない。

格付けと「経済危機」の関係とは

◆リーマンショックでは、格付けの仕組みに問題があった。
-将来のデフォルトを予測するのに、企業から提供される客観的情報だけで判断していた。
-格付け会社が、格付け先から依頼料をもらって格付けをするビジネスモデル

◆銀行の信用収縮により、公的資本注入が不可避に
-銀行預金と貸し出しは連鎖的に膨らみ、最初の預金の7~10倍の流通量になる。
-このチェーン現象を銀行による「信用創造機能」といわれる。
-銀行が貸し渋りすると、この信用創造が逆回転し、信用収縮(お金の流通量が激減)が起きる。

感想

「格付け」について分かりやすくまとまっています。いまさら聞けない「格付け」の話を知りたい人におススメです!!

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