被害者遺族と加害者家族の狭間で…身内殺人から死刑を考える

2723views本好きず~みん本好きず~みん

このエントリーをはてなブックマークに追加
僕の父は母を殺した

被害者遺族でもあり、加害者家族でもある。憎悪と悲しみの間に生きる家族殺人の当事者の生の声

幸せだった家族と母が亡くなってからのこと

・不動産会社社長だった父と母との裕福で幸せな家庭の中で12歳までを過ごす→母の親戚に反対された結婚だったが、夫婦仲はとても良かった

・12歳の頃、夜釣りに出かけた先で母が転落死(に偽装した他殺)

・悲しみの中の生活、追い打ちをかけるかのように父の会社の倒産→夜逃げ生活

・中古のゲームを買ってもらった店の路上で父が逮捕

・伯母の家で過ごすが、学校や地域に馴染めず非行に走る

・父の死刑求刑を前に父と向き合う
→死刑制度について考え、言葉を発していくきっかけに。

被害者遺族として

ー母が被害者。しかも父が事故死に偽装した
→父は大切な母を殺した許し難い犯罪者。思春期に親を亡くす、しかも他殺で亡くす心の重み

加害者家族として

ー何処に行っても『犯罪者の子』扱いされ、会社をクビに

ー彼女が出来ても交際さえ反対される日々

当事者として生きる

・隠しても何処かで『犯罪者の子供』と知れてしまう…著者は隠さず話すことで対処した

・遺族によって死刑を望むか否かは違う→死刑はたった一人の父を失うということでもある

・未だに母の遺体と父の死刑執行の夢にうなされることもある

感想

通り魔などが報道されることが多く、あまり知られていないのかもしれないが、ほとんどの殺人は身内で起こっている。天涯孤独でない限り、被害者遺族であると同時に加害者家族になる可能性はあるのだ。著者はたった14歳でその中に巻き込まれ、しかも父の死刑という現実と向き合いながら生きている。法に感情はない。でも、国家が国民を処するのならもっと残された人が少しでも、これ以上悲しまない様な配慮を国民のためにする時期に来ているのかなぁと感じた。

関連まとめ

本のまとめカテゴリー


コメントを書く